健診結果の見方・対策

健診の項目別ガイド

<提供> 株式会社保健同人社 <監修> 和田高士(東京慈恵会医科大学大学院 健康科学教授)

腎臓の検査

尿検査で腎臓や尿路に異常がないか調べます

腎臓は血液をろ過して尿を作り、老廃物を排出する働きがあります。尿に含まれる糖やタンパク質を検査することで、腎臓や尿路に異常があるかどうか判断できます。

<検査項目>

超音波検査 … 超音波で腎臓の異常をチェック

基準範囲は?
基準範囲:異常なし・所見なし
どんなことがわかる?
腎臓がんや結石を発見する

腹部超音波検査では、腎臓のほか、膵臓や胆のう、肝臓など、腹部にある内臓全般の形態変化を観察することができます。腎臓関係では腎臓がんや腎臓結石、水腎症などの病気を診断することができます。

画像診断結果にこんな事が書いてあった!これってどんな状態?
腹部超音波検査(腎臓)の所見一覧(50音順)
所見 所見の解釈
腎萎縮
(じんいしゅく)
腎臓が、腎不全などの腎障害のために小さくなってしまう状態をいいます。先天的でないものは治療が必要です。先天的な場合もあります。
腎盂拡張
(じんうかくちょう)
尿路に生じた通過障害によって、腎臓内部の腎盂が拡張している状態をいいます。原因としては、尿管結石や尿管腫瘍などが考えられます。原因を調べるために精密検査が必要です。
腎血管筋脂肪腫
(じんけっかんきんしぼうしゅ)
血管や平滑筋、脂肪などからなる腫瘍で、良性です。断定できない場合は、精密検査を行って診断を確定させます。
腎石灰化
(じんせっかいか)
腎臓にできたカルシウムの沈着のことです。腎結石と区別が難しいことがあります。
腎臓奇形
(じんぞうきけい)
腎臓の先天的な異常の総称です。数や位置の異常、左右の腎臓の一部がつながった馬蹄腎など多数の奇形があります。多発性のう胞腎以外はとくに心配はいりません。多発性のう胞腎は腎機能の経過観察と合併症(多発性肝のう胞、脳動脈瘤)の検査が必要です。
腎臓結石
(じんぞうけっせき)
腎臓にできた結石のことです。無症状であることが多いですが、背部に激痛を伴う際は治療が必要です。
腎臓腫瘤
(じんぞうしゅりゅう)
腎臓にできた腫瘍のことです。良性か悪性かを調べるため、精密検査を行う必要があります。
腎のう胞
(じんのうほう)
腎臓内にできた袋状の組織で、基本的には心配のないものですが、多発する場合はのう胞腎といい、腎機能の定期的なチェックが必要です。
水腎症
(すいじんしょう)
尿路に生じた尿の通過障害によって、上流部にある腎臓の中の腎盂、腎杯が膨張した状態になったものです。その原因としては、尿管結石、尿管腫瘍などがあります。原因を明らかにするための精密検査が必要です。
※所見の解釈は一般的なものです。必ず医療機関の方針に従ってください。

尿素窒素(BUN)…尿の尿素窒素(BUN)濃度をチェック

基準範囲は?
基準範囲:8~20mg/dl
どんなことがわかる?
尿への排泄量で腎臓の異常を見る

尿素窒素とは体内で使われたタンパク質の分解で生じた老廃物で、腎臓を経て尿とともに排泄されます。腎臓に障害がおこると尿からの排泄が悪くなり、血液中の尿素窒素の濃度が高くなりますが、ほかの原因でも上下しやすいので、eGFRなどの数値とあわせて診断します。

基準範囲からはずれると診断される(診断されやすい)病気は?
尿素窒素(BUN)が高いときに疑われる病気

腎機能障害、慢性腎臓病(CKD)、脱水、消化器出血など

尿素窒素(BUN)が低いときに疑われる病気

肝機能不全、低タンパク食など

クレアチニン(Cr) … 血液中のクレアチニン値をチェック

基準範囲は?
基準範囲:男性1.00mg/dℓ以下、女性0.70mg/dℓ以下
どんなことがわかる?
クレアチニン値が高いと腎機能が低下しているサイン

筋肉のエネルギー源となるアミノ酸の一種であるクレアチニンは、代謝後、腎臓でろ過され尿として排泄されます。血液中のクレアチニン値が高い場合は、腎機能が低下していることが考えられます。筋肉量によって量が多くなるため、男女によって基準範囲が異なります。

基準範囲からはずれると診断される(診断されやすい)病気は?
クレアチニン(Cr)が高いときに疑われる病気

腎機能障害、慢性腎臓病(CKD)、心不全など

eGFR … 腎臓ろ過機能をチェック

基準範囲は?
基準範囲:60.0ml/分/1.73㎡以上
どんなことがわかる?
慢性腎臓病(CKD)かどうかを判定する大切なものさし

慢性腎臓病(CKD)は、「eGFRが60.0ml/分/1.73m²未満の状態が3カ月以上続いた場合」と定義されています。老廃物を体外に尿としてろ過するのは、腎臓の主な働きです。この働きをeGFR検査で評価します。とくに30.0ml/分/1.73m²未満は高度機能低下として評価されます。前述の尿素窒素、クレアテニンよりも精度の高い検査です。

基準範囲からはずれると診断される(診断されやすい)病気は?
eGFRが低いときに疑われる病気

慢性糸球体腎炎、糖尿病腎症、腎硬化症

尿タンパク … 尿にタンパク質が含まれているかチェック

基準範囲は?
基準範囲:(定性)陰性(-)
どんなことがわかる?
尿タンパク値が高いと腎臓に障害がある可能性

タンパクは通常、ごくわずかな量が尿として排泄されますが、腎臓に障害があると量が増えます。ただし、発熱時や、激しい運動後には一時的に増えることもあります。検査方法は、タンパク量の有無を調べる定性検査のほか、詳しい量や濃度がわかる定量検査などがあります。

基準範囲からはずれると診断される(診断されやすい)病気は?
陽性(+)のときに疑われる病気

腎臓障害、尿路疾患など

尿潜血 … 尿に血液が含まれているかチェック

基準範囲は?
基準範囲:陰性(-)
どんなことがわかる?
血尿の有無で腎臓や尿路の疾患を診断

尿に血液が混ざっているかどうかを見ると、尿の通り道に異常があるかどうかがわかります。陽性の場合は尿路に炎症などによって組織傷害がおきている可能性があります。ただし、月経中の女性は血液が混入して陽性反応が出ることがあります。

基準範囲からはずれると診断される(診断されやすい)病気は?
陽性(1+以上)のときに疑われる病気

尿路結石、膀胱炎(ぼうこうえん)、糸球体腎炎、尿路疾患など

尿沈査 … 尿の中に存在する細胞成分をチェック

基準範囲は?
基準範囲:赤血球0~4個/毎視野、白血球0~4個/毎視野
どんなことがわかる?
尿の成分から原因となる疾患を診断

尿沈査は、尿中に沈殿する細胞成分を顕微鏡で調べて、どんな疾患が原因になっているのかを判断します。腎臓の疾患が疑われる場合は必ず行い、どのような細胞がどの程度含まれるかを観察します。赤血球の増加は糸球体腎炎、間質性腎炎などで生じます。白血球の増加は腎臓・尿路に細菌感染があった場合に生じます。

基準範囲からはずれると診断される(診断されやすい)病気は?
赤血球5個以上/毎視野のときに疑われる病気

慢性糸球体腎炎、間質性腎炎

白血球5個以上/毎視野のときに疑われる病気

腎盂腎炎、膀胱炎

<利用上の注意>
基準範囲は、検査機関・検査方法によって異なる場合があります。
ここでは、日本人間ドック学会が定めた基準範囲を中心に紹介しています。
なお、健診結果を理解し生活習慣の改善にお役立ていただくための参考値として基準範囲等を掲載しております。
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