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住宅ローン、教育費、老後資金… 共働き家庭の備え方
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2018年9月に配信した「共働き『貯まらない』家計を変えるコツ」に引き続き、今回は「共働き家計」の企画、第2弾です。夫婦でマイホームを選んで購入するときの注意点や、教育資金、老後資金の貯め方についてのポイントをファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんに教えていただきました。

共働き家庭の家計管理とお金の貯め方

共働き家庭のお金は夫婦それぞれの口座で貯める

「晩婚晩産・共働き家庭」の場合、教育費と老後資金は並行して貯める

年齢がひと回り違う共働き家庭は、妻も正社員の道を選択肢に

お金を貯めるには税制優遇があるつみたてNISAかiDeCoを活用

共働き夫婦がマイホームを選ぶときの注意点

結婚と同時のマイホーム購入は要注意

「保育園縛り」で高い家を買わざるを得なくなる事態は避けよう!

共働き家庭の場合、子どもの預け先をどうするかが大きな問題になります。
多くの場合は、保育園に預けることになるため、共働き家庭がマイホームを選ぶときも保育園の存在は非常に大きな要素になります。
たとえば子どもが2人いて、上の子どもが小学校に上がる前にマイホームを購入する場合、下の子どもはまだ保育園に通っていることが多くなります。また、子どもが1人で4歳くらいのときに家を買いたいとなる場合もあるでしょう。
これらの場合はどちらもやっと保育園に入れたのに、引越し先で保育園に入り直さないといけなくなりますが、必ず入れるという保証もありません。「そこで、今の保育園に通えるエリアでマイホームを探すということになります」(深田さん)。

「首都圏の共働き家庭では、最近、職住接近で都心近くに住んでいる人が増えています。現在の住まい近く=今の保育園に通えるところで購入するマイホームを探すと、物件価格が高くなるのです。そういったご相談を良く受けます」。
現在の保育園に通える場所という縛りがなければ、もうちょっと割安な物件を探すことも可能です。
「ターミナル駅から20分くらい離れると、物件の価格が1,000万~1,500万円くらい下がることもあります。これから抱える住宅ローンや教育費を考えてマイホームの購入を検討していきましょう」。

共働き夫婦の住宅ローンの組み方

共働き夫婦が2人でローンを組む際は、
妻が働き続けられるかどうかがポイントに

  • ローン減税限度額
  • ローン残高の1%
  • 払った所得税・住民税の額

図表1 住宅ローン減税でいくら税金が安くなる

一般住宅を購入、
年末残高で
ローン残高3,000万円
のケース

ケース1年収800万円の人

ローン減税限度額40万円
ローン残高×1%30万円
所得税45万円

3つのうち最も少ないのは
30万円なので、減税額は30万円

ケース2年収500万円の人

ローン減税限度額40万円
ローン残高×1%30万円
所得税+住民税26万円

3つのうち最も少ないのは
26万円なので、減税額は26万円

一般住宅を購入、
年末残高で
ローン残高3,000万円
のケース

ケース3夫の年収500万円、
妻の年収300万円

ローン減税限度額40万円
ローン残高×1%30万円
減税対象となる
所得税+住民税
夫20万円/妻10万円

夫婦2人で30万円の減税が受けられる

図表2 夫婦でローンを組むメリットとデメリット

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メリット
  • ・住宅ローン減税を2人分受けることができる
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デメリット
  • ・妻が返済期間中に仕事をやめると妻分の住宅ローン減税は受けられなくなる
  • ・仕事をやめ無収入になると、妻の返済分が夫からの贈与と見なされる可能性がある
  • ・産休/育休中は給料がストップするのでその間減税は受けられない
  • (給付金は非課税なので所得税はかからない)

妻が仕事を辞めると、妻の分の住宅ローン減税が受けられなくなり、夫が妻の分の住宅ローンも払わなくてはならないので返済負担が重くなります。
しかも、税務上は夫から妻への贈与とみなされる可能性も出てきます。また、仕事を続ける場合でも、ほとんどの場合、産休・育休中に給与は支給されません。この期間に支給される出産育児一時金や出産手当金、育児休業給付金は所得税の課税対象ではないので、その間の住宅ローン減税を受けることはできません。

それぞれ1本ずつローンを組むペアローンが主流

図表3 共働き夫婦が2人でローンを組むときには2つの選択肢がある

  連帯債務 夫婦ペアローン
ローン
契約
夫のみ1本 夫・妻それぞれの契約。計2本
住宅ローン
控除
夫、妻、いずれも適用
登記上の
名義
夫、妻の共有名義
団体信用
生命保険の
被保険者
夫のみ
(妻が死亡の場合保険金は出ない)
夫、妻それぞれが
自分のローン契約で加入
備考 取り扱っていない銀行が多い
(フラット35は
この契約形態)
独立したローンを夫婦で
それぞれ組む
仕組み

連帯債務は、夫がローンを組み、妻は夫の「連帯債務者」になる方法です。連帯債務のローンの場合は、主たる債務者である夫しか団体信用生命保険に加入していません。そのため、妻が亡くなったときは住宅ローンの返済はなくなりません。

ペアローンは、夫婦それぞれが1本ずつのローンを組む方法です。1本の契約として組むよりも印紙代や登記費用が割高になりますが、契約を分けておけば、金利や返済期間を変えて組み合わせて使うことができます。また、それぞれが団体信用生命保険に加入しているため、どちらが亡くなった場合にも団体信用生命保険が適用され、亡くなった人の分の住宅ローンの返済がなくなります。今はほとんどの銀行がペアローンを取り扱っていて、連帯債務は「フラット35」と一部の銀行のみになります。

ペアローンを組む際の保障について考えてみましょう。たとえば、夫が2,000万円、妻が1,000万円のローンをそれぞれ組んだ場合、夫が亡くなった場合は団体信用生命保険で夫の分の2,000万円のローンの返済はなくなりますが、妻が組んだ1,000万円のローンはそのまま返済が続きます。ローン返済中に夫婦どちらかが亡くなったときの家計運営が心配だという夫婦に、深田さんは「『自分の生命保険に“配偶者のローン残高分”を上乗せしましょう』と提案している」と、いいます。そうすると、上乗せした死亡保険金で残りのローンを完済することができます。

「子育て・地方移住」でマイホームを取得すれば
金利引き下げと補助金受給のメリットが

もう少し視点を広げてマイホームを考えてみると、地方自治体の中には、地域活性化のために子育て世帯の移住を推進して、補助金を出しているところがあります。そのような自治体にマイホームを買って移住すると、自治体が補助金を出してくれるのです。
補助の対象は、新築住宅・中古住宅の購入、リフォーム費用、空き家の改修費用などさまざまです。たとえば、千葉県市川市では、住宅取得を機に親と同居すると100万円、500メートル以内に住むと50万円の補助金が支給されます。

図表4 地方自治体と連携したフラット35の子育て支援型・地域活性化策

子育て
支援型
次のいずれかの場合における補助金交付などの支援
(要件は各自治体が個別に定める)
  • ・若い子育て世帯がマイホームを取得する場合
  • ・若い子育て世帯が親世帯が同居または近居するためにマイホームを取得する場合
地域
活性化型
次のいずれかの場合における補助金交付などの支援
(要件は各自治体が個別に定める)
  • ・大都市圏に住む人が地方にUIJターンを契機にマイホームを取得する場合
  • ・コンパクトシティに移住する際にマイホームを取得する場合
  • ・空き家バンクに登録されている住宅を取得する場合

深田晶恵さん作成

地方自治体からの補助金を受けて住宅取得などを行う場合に「フラット35」を利用すると、適用金利から0.25%引き下げて貸してくれます。金利引き下げ期間は、当初5年間です。

共働き家庭の教育費のかけ方、貯め方

2人分の収入で実現できそうに思えても私立中学受験コースは慎重に

共働きで2人分の収入があると、たいていの教育費は出せそうな気分になりますが、私立中学の受験に関しては慎重に考えましょう。「いつどのくらいかかる? 子どもの教育費」でも取り上げましたが、その先の大学進学の費用を貯めながら、中学校・高校の学費を毎月の家計から出していくことになります。もちろん、子どもが2人いれば2倍、3人いれば3倍かかります。

共働き家庭の老後費用の考え方

共働き家庭のメリットは2人分の厚生年金が受け取れること

図表5 共働きなら若い世代のほうが世帯の年金収入が多い

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※深田晶恵さん作成。今の高齢者の年金額は「総務省家計調査」を参考に、
「今の若い世代」の
年金額は深田さんの試算による

厚生年金は、厚生年金の加入期間と加入中の給与金額によって決まるので、受け取れる厚生年金の額は、それぞれ違ってきますが、それでも世帯年収を考えると、若い世代のほうが多いことがわかります。
共働きを続けていくことはたいへんですが、老後には受け取る年金額が多くなるのです。

老後資金は夫婦2人で2,500万~3,000万円がひとつの目安

65歳までは働いた収入で暮らして貯蓄は取り崩さず、65歳から貯蓄を取り崩す生活をスタートさせて90歳まで生きると仮定すると、25年間の生活費が必要です。50万円×25年=1,250万円。このほかに住宅の修繕費用や車の買い替え費用、病気に備えるお金など不測の出費を1,000万~1,500万円程度見積もると、2,250万~2,750万円程度になります。もう少し余裕を持って、2,500万~3,000万円が、夫婦の老後資金の目安のひとつと考えましょう。
「夫婦2人で貯めたお金」という認識で共有口座にお金を貯めたりしがちですが、税務上は「夫婦2人のお金」というものはなくて、必ず口座の名義人のお金と考えられます。老後資金もそれぞれが自分の名義で積み立てることが大事です。

※掲載内容は、2019年3月1日時点の情報に基づく。
取材協力・監修/深田晶恵(ファイナンシャルプランナー)
取材・文/生島典子