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かんたんにわかる 月刊 経済・為替ダイジェスト7月号

ソニーフィナンシャルホールディングスの金融市場調査部が最新のマクロ経済・為替相場の見通しについて解説します。

為替相場見通し

執筆者
アナリスト 森本 淳太郎

森本 淳太郎
当面の注目ポイント
  • 新型コロナウイルスを巡る動向
    (事態が悪化し、米株価が急落すれば円高要因に)
  • 香港・ウイグル情勢、通商協議を巡る米中関係
    (関係が悪化すれば円高要因に)
  • 各国の経済対策
    (大規模な経済対策が奏功するとの期待から米株高となれば、円安要因に)
  • 中東情勢や北朝鮮を巡る地政学リスクが再燃しないか
    (軍事的緊張が高まれば円高要因に)

過去2ヶ月の為替推移

過去2ヶ月の為替推移

出所:Bloomberg、SFH

米感染再拡大を睨んでの相場

5月から6月にかけてのドル円相場は、107円ちょうどを挟んだ値動きが中心となりました。6月上旬には、経済活動再開への期待や、米長期金利の上昇により、一時ドル高・円安が進行。しかしその後、米国でイールドカーブ・コントロール(YCC)が導入され、将来にわたり金利が抑えられるのではとの思惑が広がると、米長期金利の低下に併せてドル売りが優勢となり、結局元の107円を中心とした水準で落ち着いています。

今後も新型コロナウイルスの感染状況を睨みながらの相場が続きそうですが、最大のリスクは、やはり米国における感染第2波の加速です。米国では、早期に経済活動を再開した南・西部の州で新規感染者数が急増しており、感染第2波への懸念が強まっています。テキサス州やフロリダ州では5月より段階的に進められてきた経済活動の再開が一部停止されるなど、このところ高まっていた景気回復への期待にも水を差されている状況です。これまで感染拡大の中心となってきたニューヨーク州は今のところ抑制に成功していますが、遅れて経済活動が再開された同州でも感染が再拡大するようなことがあれば、市場心理は更に悪化し、円高が進む可能性は低くありません。ただし、先日もトランプ政権が1兆ドル規模の追加の景気対策を検討していると報じられたように、政府や中央銀行は「できることは何でもやる」という力強い姿勢を示しており、景気下支えへの根強い期待が市場心理の大幅な悪化を防いでいます。ドル円は当面、新型コロナウイルスに関するネガティブな材料で一時的には円高に振れやすいものの、大きくは崩れにくい相場が続きそうです。

マクロ経済見通し

執筆者
シニアエコノミスト 渡辺 浩志

渡辺 浩志

「財政ファイナンス相場」の行方

図1: 高い貯蓄率はペントアップ・ディマンドの膨大さを示唆

図1

注:貯蓄率=貯蓄/可処分所得

出所:Bloomberg、SFH

図2: FRBの国債買入れとカネ余りで実質金利が低下へ

図2

注:マーシャルのk=通貨供給量/名目GDP

出所:Bloomberg、SFH

今月のキーワード

ペントアップ・ディマンド(繰り越し需要)

ソニーフィナンシャルホールディングス
アナリストの紹介

尾河 眞樹(おがわ まき)

尾河 眞樹(おがわ まき)

ソニーフィナンシャルホールディングス
執行役員 兼 金融市場調査部長
チーフアナリスト

ファースト・シカゴ銀行、JPモルガン証券などの為替ディーラーを経て、ソニー財務部にて為替リスクヘッジと市場調査に従事。その後シティバンク銀行(現SMBC信託銀行)で個人金融部門の投資調査企画部長として、金融市場の調査・分析、および個人投資家向け情報提供を担当。2016年8月より現職。テレビ東京「Newsモーニングサテライト」、日経CNBCなどにレギュラー出演し、金融市場の解説を行っている。著書に『為替がわかればビジネスが変わる(2014年日経BP社)』、『富裕層に学ぶ外貨投資術(2015年日経新聞出版社)』、『〈新版〉本当にわかる為替相場(2016年日本実業出版社)』などがある。

菅野 雅明(かんの まさあき)

菅野 雅明(かんの まさあき)

ソニーフィナンシャルホールディングス
金融市場調査部
シニアフェロー チーフエコノミスト

1974年日本銀行に入行後、秘書室兼政策委員会調査役、ロンドン事務所次長、調査統計局経済統計課長・同参事などの役職を歴任。日本経済研究センター主任研究員(日本銀行より出向)を経て、1999年JPモルガン証券入社、チーフエコノミスト・経済調査部長・マネジングディレクターとして日本の金融経済分析・予測を担当。2017年4月より現職。総務省「統計審議会」委員、財務省「関税・外国為替等審議会」専門委員、内閣府「経済財政諮問会議グローバル化改革専門調査会、金融・資本市場ワーキンググループ」メンバー、内閣官房「公的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に関する有識者会議」メンバー、厚生労働省「年金積立金の管理運用に係る法人のガバナンスの在り方検討作業班」専門委員などを歴任。日本経済新聞「十字路」「経済教室」、日経QUICK「QUICKエコノミスト情報」、東洋経済「経済を見る眼」「論点」、NTT出版「危機の日本経済」など執筆多数。テレビ東京「Newsモーニングサテライト」レギュラーコメンテーター。1974年東京大学経済学部卒、1979年シカゴ大学大学院経済学修士号取得。

渡辺 浩志(わたなべ ひろし)

渡辺 浩志(わたなべ ひろし)

ソニーフィナンシャルホールディングス
金融市場調査部
シニアエコノミスト

1999年に大和総研に入社し、経済調査部にてエコノミストとしてのキャリアをスタート。2006年~2008年は内閣府政策統括官室(経済財政分析・総括担当)へ出向し、『経済財政白書』等の執筆を行う。2011年からはSMBC日興証券金融経済調査部および株式調査部にて機関投資家向けの経済分析・情報発信に従事。2017年1月より現職。内外のマクロ経済についての調査・分析業務を担当。ロジカルかつデータの裏付けを重視した分析を行っている。

石川 久美子(いしかわ くみこ)

石川 久美子(いしかわ くみこ)

ソニーフィナンシャルホールディングス
金融市場調査部
シニアアナリスト

商品先物専門紙での貴金属および外国為替担当の編集記者を経て、2009年4月に外為どっとコムに入社し、外為どっとコム総合研究所の立ち上げに参画。同年6月から研究員として、外国為替相場について調査・分析、レポートや書籍、ブログ、Twitterなどの執筆、セミナー講師、テレビやラジオなどのコメンテーターとして活動。2016年11月より現職。外国為替市場の調査・分析業務を担当。

森本 淳太郎(もりもと じゅんたろう)

森本 淳太郎(もりもと じゅんたろう)

ソニーフィナンシャルホールディングス
金融市場調査部
アナリスト

みずほフィナンシャルグループにて企画業務、法人営業などを経験した後、2019年8月、ソニーフィナンシャルホールディングスへ入社。外国為替市場の調査・分析業務を担当。

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