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コロナ禍の今活用したい「ふるさと納税」に注目

実質2,000円の自己負担で自治体に寄付ができる「ふるさと納税」。返戻品として寄付先の特産品がもらえるのが魅力ですが、コロナ禍のいま、産地応援や医療従事者支援など社会貢献になるような寄付対象にも目を向けてみてはいかがでしょうか。ふるさと納税の基本から今年ならではの活用法と注意点まで、ファイナンシャルプランナーの馬養雅子さんに教えていただきました。

ふるさと納税の基本と現状

名称は「納税」だが実際には「寄付」の制度

まずは「ふるさと納税」の基本から。名称には「納税」とありますが、実際には自治体(都道府県や市区町村)への「寄付」に当たる制度です。「対象になる自治体は自分の故郷に限らず、学生時代や転勤先として住んでいた自治体、これから応援したい自治体などどこでも好きなところを選べます(*1)」(馬養さん)。

ただし総務大臣から指定を受けている自治体であること。2020年10月1日〜2021年9月30日までは1,786の自治体(ふるさと納税の適用申請がなかった東京都と高知県奈半利町を除く)が対象。

メリットは特別な「寄付金控除」が受けられることです。寄付金控除は指定の団体等に寄付をすると受けられる控除です。自治体も対象になりますが、通常の方法よりふるさと納税を活用したほうが控除額が大きく、自己負担を抑えながら寄付ができます。

具体的に見ていきましょう。ふるさと納税は1年間(1月〜12月)に寄付した金額が所定の控除上限額の範囲内であれば、実質2,000円の自己負担で寄付ができるようになっています。寄付額のうち2,000円を除いた分は全て所得税と住民税から控除されるためです。控除上限額を超えても寄付はできるのですが、超過した金額は全額自己負担となるので、自己負担を2,000円に抑えて寄付をしたい場合、年収や家族構成などにより設定される控除上限額の目安にしたがって寄付を行うことがポイントになります。

例えば夫が会社員で年収700万円、妻が専業主婦、子どもが中学生以下というお宅の場合、年間の控除上限額は8万6,000円(*2)。自己負担2,000円で年間8万6,000円まで寄付ができるという意味です。寄付した8万6,000円までの金額は2,000円を除き、その年の所得税と翌年度の住民税から全額控除されます。「大半は住民税から控除されるので、結果、自分が住んでいる自治体に納めた住民税の一部が寄付先の自治体に移転することになります」。

住宅ローン控除等を受けていない場合。

図表1 ふるさと納税の仕組み
総務省ふるさと納税ポータルサイト内、
「ふるさと納税の手続(原則)」を基に作成

2019年に制度が見直され、返戻割合は寄付額の3割までに

「ふるさと納税」の現状も押さえておきましょう。「制度がスタートしたのは2008年ですが、2015年に控除上限額がそれまでの約2倍に引き上げられたことにより、大きな注目を集めるようになりました」(馬養さん)。

ふるさと納税をすると、牛肉や果物、お米など寄付先の地場産品を返戻品として受け取れるケースが一般的です。ふるさと納税を管轄する総務省は2017年度から各自治体に向けて、「返戻割合を3割以下とすること」、「金銭類似性の高いもの、資産性の高いもの、高額なものは返戻品にしないこと」といった要請を行いました。「ですが応じない自治体もあったため、総務省は昨年6月からふるさと納税の対象自治体を指定する制度を開始しました。これは対象外の自治体に寄付をしてもふるさと納税の控除は受けられなくなったということを意味します」。したがって現状ふるさと納税を行っている自治体の返戻品は、地場産品で返戻割合は3割以下となっています。

社会貢献にもなる「ふるさと納税」

新型コロナ関連の支援

実質2,000円の負担で寄付先の特産品を楽しみながら家計の助けにもする。「これが一般的な「ふるさと納税」の利用法かもしれませんが、今年は少し視点を変えて新型コロナ関連の支援なども選択肢に加えてはいかがでしょうか」(馬養さん)。

ふるさと納税をするには仲介サイトを利用するのが便利。自治体や返戻品選びから寄付の手続まで画面上でできるためです。サイトにアクセスしてみると、新型コロナ関連の支援寄付を募っていることに気が付きます。主な支援策を見ていきましょう。

一つは生産者の支援。新型コロナの影響により外食産業やイベント関連の需要が大幅に減り、牛肉、果物、魚介類、花など買い取り先が見つからない特産品をふるさと納税の返戻品として提供する自治体が多くあります。そうした自治体に寄付をすれば生産者への支援になります。

「返戻品となる牛肉や果物、魚介類などは需要減で価格が下落したことなどにより、通常のふるさと納税に比べて多めの量が提供されたり、同じ量の返戻品が通常の半額の寄付金でもらえたりします。また、農林水産省の補助事業を活用し、通常より多くの返戻品を提供する自治体もあり、寄付をする側もメリットを得ながら応援することができます。ただし、こうした支援策は期間限定の取り扱いとなっています」。

もう一つは医療関連の支援。多くの自治体で実施しており、医療従事者を支援したり、地域の医療体制を強化するための寄付を募っています。返戻品がなく、全額寄付に充てられるケースが一般的です。

日本に寄付が定着するきっかけになれば

近年は大型の台風や豪雨による自然災害が増えています。「災害支援については、以前からふるさと納税の寄付先として取り扱われています。集まった寄付金は被災地支援に使われます」(馬養さん)。災害支援の場合も返戻品が付かないのが一般的ですが、控除は受けられるので自己負担2,000円で被災地の役に立つことができます。

新型コロナや災害のほかにもふるさと納税を通じた様々な支援策があります。不特定多数の人からインターネットを介して少額ずつ資金を調達するクラウドファンディングを活用して犬猫の保護などを行っている自治体もあります。賛同できる支援策が見つかるかもしれないので、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。返戻品についてはある場合とない場合があります。

「今回のコロナ禍をきっかけに、困っている人を助けたい、何か支援をしたいと考えるようになった人は少なくないと思います。ふるさと納税というと、返戻品のお得さがクローズアップされがちですが、本来の意味での寄付が日本に定着するきっかけになるような制度になってくれればと考えています」。

「ふるさと納税」を利用するときのポイントと注意点

自分が控除の対象になるか確認

ふるさと納税を利用する場合、まず自分が控除を受けられるのか確認する必要があります。「控除が受けられるのは、収入があり所得税や住民税を支払っている人なので、専業主婦(夫)や所得税のかからない年収103万円以下の範囲でパートをしている人などは除かれます」(馬養さん)。

控除が受けられない人がふるさと納税をすると、寄付した金額=自己負担となってしまうので注意しましょう。

住宅ローン控除などに注意して控除上限額の目安を立てる

控除が受けられる場合、控除上限額がいくらかをチェックしましょう。控除上限額は前述のとおり、その人の年収や家族構成などにより異なります。

上記サイトにはふるさと納税をした本人の給与年収と家族構成をもとにした目安額が掲載されています。「今年は新型コロナの影響で年収に変化があったという人もいるのではないでしょうか。いくらぐらいになりそうか、検討をつけて目安額をチェックしましょう」。年収が昨年と変わらない人は昨年の源泉徴収票などで給与年収を確認のうえ、目安額をチェックするといいでしょう。

ただし給与年収や家族構成だけでは控除上限額の目安が立てられない場合もあると馬養さんは言います。「住宅ローン控除や医療費控除、iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の掛金の所得控除などを受けていると控除上限額が下がります。ふるさと納税の仲介サイトの中にそれらも含んで控除上限額のシミュレーションができるサイトがあるので活用するといいでしょう」。医療費控除額がいくらになるかは年末になるまで確定しないので、概算を入力してシミュレーションしましょう。

図表2 控除上限額に影響する控除
  • 医療費控除
  • 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)
  • iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の掛金の所得控除(小規模企業共済等掛金控除)
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除

控除上限額ギリギリにこだわらず、余裕をもって寄付を

控除上限額のシミュレーションでわかるのはあくまで目安額です。実際の上限額が確定するのは今年の給与年収や各種の控除額が確定する年末時点。それを確認してからではふるさと納税の締め切りに間に合わない可能性があるので、目安額を参考にふるさと納税をする額を決めるしかないのですが、それだと実際の控除上限額を超過するリスクもあり悩みどころです。

「控除上限額を超過した分は持ち出しになります。目安額を目一杯利用しようとすると、実は超過していたということにもなりかねないので、ギリギリを狙わず余裕をもって利用するのがいいでしょう。また、上限額までの範囲なら全額控除されるとはいえ、ふるさと納税をした金額はいったんは家計から出ていくものです。年末が期限になっていますが、無理な出費をすると一時的に家計を圧迫することも考えられます。その金額を寄付してもいいのか冷静に判断することも重要です」(馬養さん)。

もう一つ馬養さんが考えてほしいと話すのが、ふるさと納税をすると自分が住んでいる自治体の税収が減るということ。「ふるさと納税をした金額の大半は住民税から控除されます。控除された分、住んでいる自治体の税収は減ります。その傾向は大都市ほど顕著です」。2020年度で見ると、市区町村単位で最も税収が流出したのは横浜市で144億6,600万円、次に名古屋市が85億9,200万円と続きます(*3)。「税収の流出規模によっては自治体の行政サービスに影響が出る場合も考えられます。あまり知られていないかもしれませんが、自分が住んでいる自治体へふるさと納税をすることもできます。控除上限額内であれば申請すれば寄付控除の対象となります。ただし、ふるさと納税の制度上、原則、返戻品は希望できません(感謝状等、経済的な所得と見なされないお礼の品が受け取れる場合もあります)。ふるさと納税をするなら、そのようなことも頭に置いて検討してみてはいかがでしょうか」。

「ふるさと納税に関する現況調査結果」(令和2年度実施)(自治税務局市町村税課)より。

寄付先5カ所までなら「ワンストップ特例制度」を活用

冒頭でも触れたとおり、ふるさと納税をして控除を受けるには、原則として翌年の2月16日〜3月15日までに確定申告をする必要があります。ただし会社員など給与所得者の場合、寄付先が5カ所以下であればワンストップ特例制度が利用でき、確定申告不要で控除が受けられます。この場合、所得税からの控除はなく、控除額は全てふるさと納税をした翌年度の住民税から控除されます(翌年6月から翌々年5月にかけて毎月控除)。

「特例の適用を受けるには、ワンストップ特例制度の申請書に必要事項を記入のうえ、本人確認書類(マイナンバーカードの写しなど)を添えて、翌年1月10日までに寄付先の自治体に郵送する必要があります」(馬養さん)。2020年分のふるさと納税については、2021年1月10日までに寄付先の自治体に届くように申請書を郵送することになります。申請書は仲介サイトからダウンロードするか、寄付先の自治体に連絡して入手します。寄付をした後に自治体から送られてくる「寄付金受領証明書」という書類とともに届く場合もあります。

「寄付先の自治体が5カ所以下でワンストップ特例の申請をしていても、医療費控除や初回の住宅ローン控除などのために確定申告をする場合には、特例の申請は無効となり、ふるさと納税についても確定申告をしなければならなくなるので要注意です」。確定申告の際には、前述の「寄付金受領証明書」が必要です。「届いていない場合には自治体に問い合わせてみてください」。

ワンストップ特例制度や確定申告の手続をしなければふるさと納税の控除は受けられず、寄付した金額は全額自己負担になってしまうので忘れないように行いましょう。

掲載内容は2020年11月1日時点の情報に基づく
取材協力・監修/馬養 雅子(ファイナンシャル・プランナー(CFP®認定者)1級ファイナンシャル・プランニング技能士)
取材・文/萬 真知子
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