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「エコカー減税」延長で脱炭素社会へ? クルマを買うなら知っておきたい税金の話

新型コロナウイルスの影響に対する緊急経済対策措置として、環境負荷の少ないクルマに対しての税金が減免される制度「エコカー減税」が延長されました。一方、燃費基準はより厳格化されるなど、脱炭素社会の推進に向けた動きも見えます。これからクルマを購入する際に、どのようなポイントに注意すべきか税理士の田中卓也さんに話を伺いました。

2021年10月

そもそも「エコカー減税」ってなに?

環境性能に優れたクルマを対象に税金が減免される「エコカー減税」。この言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。でも、具体的にどんな税金がどれくらい減税されるのか、いまいち分からない方もいらっしゃるでしょう。そこで税理士の田中卓也さんに、その内容を伺ってみました。

「まずクルマに関する税金は3種類あります。これらの税金には、それぞれ環境負荷の少ないクルマに対して税金を減免する制度があります」(田中さん)。

  • 自動車の購入時に支払う「自動車税環境性能割」(旧・自動車取得税)
  • 自動車購入時、車検時に支払う「自動車重量税」
  • 1年に一度支払う「自動車税種別割」(旧・自動車税)

例えば「自動車税環境性能割」は、クルマの燃費性能に応じて税率が0〜3%と変わります。一方、「自動車重量税」は燃費性能によって車検時の税金が軽減され、電気自動車などは2回目の車検時まで免税となり、これを『エコカー減税』と呼びます。また、「自動車税種別割」は、グリーン化特例という制度により、電気自動車・燃料電池車・プラグインハイブリット車・天然ガス自動車の新車新規登録を行った場合に、翌年度分の税金が75%減税されます。

クルマの税金にもサステナブルの風潮が

この「エコカー減税」は、2021年度税制改正によって「自動車重量税」と「自動車税種別割」が2年間、「自動車税環境性能割」は税率が1%引き下げられる臨時的軽減措置が2021年12月末まで延長されることになりました※1

ただ、この改正では、減免の対象となる燃費性能の基準も見直され、国土交通省が発表した資料によると、新たな基準となる「2030年度燃費基準」の推定値は25.4km/リットル。これは、2016年度燃費基準実績値19.2km/リットルに比べて32.4%の改善が求められる数値です。つまり、より高い基準を満たしたクルマでないと減税の対象にならないのです。

今回の改正による主な変更点は次の表の通り。燃費基準が見直された「自動車税環境性能割」と「自動車重量税」に加え、「自動車税種別割」は電気自動車等のみに限定されました。

※1 環境性能割については、2022年3月31日まで、2023年3月31日までなど自動車の取得時期によって税率が異なる。

※2 登録車:普通車、小型乗用車、小型貨物車など
※3 電気自動車等:電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド車、天然ガス自動車

※3 電気自動車等:電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド車、天然ガス自動車

※2 登録車:普通車、小型乗用車、小型貨物車など
※4 電気自動車等:電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド車、天然ガス自動車。クリーンディーゼル車のみ今回の改正により除外。

出典:経済産業省「令和3年度税制改正」、同「大きく変わった、クルマの税」

「新しくなった燃費基準には、『2030年度』基準値が設定されており、その内容もより厳しいものになったと言えます。燃費基準の厳格化は近年の大きな潮流である、脱炭素社会に向けた動きの影響もあるのかもしれません」(田中さん)。

一方で、今回の改正では、自動車税の減免における新たな取り組みも見られるとのこと。

「国土交通省の資料によると、衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術を搭載したバス・トラックに関しては『自動車重量税』『自動車税環境性能割』を減免する方向が打ち出されています。自動車保険では、すでに衝突被害軽減ブレーキが搭載されたクルマは保険料が割引されるサービス※5が増えていますが、自動車税に関しても同じ流れが起きるのかもしれません」(田中さん)。

※5 車種や、適用期間、割引率などは、各損害保険会社により異なります。

クルマの購入を考えるときに気をつけたいこと

クルマの購入を考えている方にとっては、税金が抑えられる「エコカー減税」はとてもありがたい制度と言えます。しかも、エコカーを選ぶメリットは、それだけではありません。当然、燃費が抑えられるから維持費が安く済み、自動車保険の中には「電気自動車割引」というサービスを提供しているもの※6もあります。

ただ、田中さんによると、エコカーを購入する際に知っておきたい注意点もあるとのこと。

「基準を満たしたエコカーなら『エコカー減税』を利用することができますが、減免期間は気にしておいた方がよいでしょう。例えば『自動車税環境性能割』は購入時だけで、『自動車税種別割』も初回新規登録した年度の翌年度分だけが軽減期間です。また、『自動車重量税』についても税制改正があるごとに基準が厳格化される可能性があるので、改正後には軽減措置が受けられなくなることなども考えられます」(田中さん)。

クルマを持っていないと意外と知らない税金の話。クルマの購入を考えている方は、購入時にかかる費用だけでなく、税金や保険も含めた維持費もしっかり考えるようにしましょう。ソニー生命では、ライフプランニングについて豊富な知識を持ったプロフェッショナルが多数在籍しているので、お気軽にご相談ください。脱酸素社会に向けて、「エコカー減税」を受けられる環境に優しいクルマも、選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。

※6 適用の条件や、割引額は会社により異なります。

監修者プロフィール

田中 卓也 | Takuya Tanaka

税理士、ファイナンシャルプランナー。「正しい決算、正しい申告だけで満足ですか」という理念をかかげ、事業計画の作成・サポートを中心に据えた革新的な事務所経営を行う。各種セミナーでの講演活動や講師のほか、著書に『自営業+フリーランサーのための確定申告』など。

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