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台風でも補償が受けられる! 大切な家を守るために学ぶ、火災保険のキホン

万が一のときに大切な備えとなる火災保険。でも、火災保険が補償してくれるのは火災事故だけではないのをご存じでしょうか? 「火災」保険といっても、台風や集中豪雨などによる河川の氾濫や土砂崩れによる被害も補償の範囲内に含まれているのです。今回はファイナンシャルプランナーの平野敦之さんに火災保険についてお話を伺いました。

2021年11月

火災保険って「火災事故」以外も補償してくれるの?

■火災保険が適用されるケースが最も多いのは「自然災害」

出典:損害保険料率算出機構「火災保険・地震保険の概況 2020年度版(2019年度統計)」

火災保険というと、その名前から火災による損害のみ補償してくれるもの、だと思っている方がいるかもしれません。しかし、実際に補償してくれる範囲はもっと多岐にわたり、最近増えている台風や集中豪雨による河川の氾濫や土砂崩れなどの損害も補償範囲となります。グラフの年は特に自然災害が多かった年ではありますが、火災事故によって支払われた保険金額は実は5.3%(破裂・爆発を含む)しかないのです。

では、そのほかにどのような補償があるのか、平野さんに伺ってみました。

「火災保険の補償は大きく分けて二つあり、一つ目は一般的に知られている損害保険金です。これは、『火災』や『風災・水災などの自然災害』による損害が建物や家財に発生した場合に補償されるものです。しかし、実際に火災に遭ったり、台風などで家が壊れたりしたときに損害保険金だけでは足りないケースがあります」(平野さん)。

出典:損害保険料率算出機構「火災保険・地震保険の概況 2020年度版(2019年度統計)」

■火災保険で家のさまざまなリスクを回避

「そのときに重要になってくるのが、二つ目の費用保険金です。例えば、火事で全焼してしまったとき、家を建て直すには焼け残ったものを撤去しなければなりませんが、その費用を補償してくれる『残存物片付け費用』など、費用保険金が火事や台風などによる損害から間接的に発生する費用を補ってくれるのです」(平野さん)。

また、火災保険がカバーしてくれるのは、「火災」と「自然災害」だけではありません。

例えば、水濡れや外部からの物体の衝突、盗難など、家にまつわるさまざまなリスクを補償してくれる保険もあります。具体的には、外部からの物体の衝突に対する補償が付いていれば、誰かのいたずらで家の窓が割られてしまったり、クルマが家に突っ込んできたりしたときの損害も補償してくれるのです。

そのほか、個人賠償責任補償が特約で用意されているので、日常生活で自転車事故を起こしてしまった場合、その賠償を火災保険で賄うことも可能です。

■火災保険には地震も含まれる?

将来、発生率が高いといわれている大規模地震。その地震による損害も火災保険の補償に含まれているのか気になる方も多いでしょう。

しかし、地震による損害に備えるには、一般的な火災保険への加入だけでは補償が受けられず、セットで地震保険にも加入しなければなりません。しかも、地震保険には加入できる金額に制限があり、法律によって火災保険金額の50%までと決められています。

ただ、保険会社によっては地震被害の補償を上乗せする特約(火災保険金額と同額)が用意されているところもあります。

「最近は地震保険もセットで加入する人が増えています。例えば、住宅ローンがたくさん残っている方や、資産が多くない人、被災したときに、収入が大きく減少する可能性が高い方にとっては必要性が高く、火災保険に加入するとき、しっかり検討した方がいいでしょう」(平野さん)。

補償内容を正しく理解して加入していますか?

火災保険は、家の購入時や賃貸借契約時に加入するのが一般的ですが、そのときに注意すべきはどのようなことでしょうか。

「気をつけたいのは、対象となる物件の所有が自分に移った時点で、しっかりと加入しておくことです。例えば、自分の所有となり引っ越しがまだ先の場合、たとえ住んでいなくても、その間に災害などで損害が出てしまったら、火災保険に加入していないと補償を受けることができません。

新築の場合、保険に加入するために必要な書類を揃えるのに時間がかかることもありますので、できるだけ余裕を持って準備しておいた方がよいでしょう」(平野さん)。

■十分に検討しないまま加入してしまうケースも

また、家の購入時は、物件探しはもちろんのこと、不動産取得税や登録免許税等の税金の支払い、不動産会社への仲介手数料の支払いなど、さまざまな対応が必要で、火災保険の加入についてはおろそかになってしまう方がいるかもしれません。

「今はインターネットで簡単に調べられるので、加入する前にじっくりと検討する人は増えています。けれど、内容が複雑で理解するのが難しかったり、そもそも調べる暇がなくて、しっかりと理解しないで加入してしまったりする人も少なからずいます。その場合、十分な補償が受けられなかったり、反対に、必要のない補償を付けたりしてしまうケースもあるのです」(平野さん)。

火災保険に加入するときのポイントは?

■火災保険には衣類などの補償も含まれる⁉

火災保険に加入したのに、いざというときに十分な補償が受けられない。加入するときに補償内容を吟味しないために起こりうる問題ですが、それを防ぐために大事なのは、「適切な保険金額が設定されているか」「必要な補償内容が備わっているか」の二つをしっかりと確認することです。

「建物の補償については、新築などで建築費や購入費がわかっている場合は、その金額を設定するようにして、たとえわからない場合でも、立地や建物の構造からある程度の目安を算出することができるので、その範囲内の保険金額で設定するようにしましょう」(平野さん)。

そして、家財の保険金額を設定するとき、少し注意が必要と平野さんは語ります。

「火災保険に加入するとき、『うちは物が多いからしっかりと家財の補償をしておこう』と、保険金額が高額になりがちです。家財には家具や家電、衣類なども含まれ、それらのものもすべて含めると意外と多額になることも少なくありません。

各保険会社で世帯主の年齢や家族構成をもとに設定している保険金額は、あくまでも統計での数字であり、生活スタイルによって大きく異なることがあるので自分にあった金額を設定するようにしましょう」(平野さん)。

■補償金額が「時価」か「新価・再調達価額」か

また、金額を設定するとき、気をつけておかなければならないのが、その金額が「時価」ではなく、「新価・再調達価額」で設定されているかどうかです。

「時価」の場合、経年劣化などを考慮した金額になるので、新築からある程度の年数を経て災害に遭った場合、支払われる保険金だけでは家を建て直すのに不足してしまうことが予測されます。しかし、「新価・再調達価額」は、保険契約時の対象のものと同等のものを、新たに建築・取得するのに必要な金額ですので、たとえ年数が経過しても価値が下がることはありません。

最近の火災保険は一般的に新価・再調達価額で設定されていますが、住宅火災保険や住宅総合保険などの古いタイプの火災保険に超長期で契約している人は、時価で契約している可能性があります。

そのほか、「必要な補償内容が備わっているか」については、自宅の立地や構造に応じて補償内容を吟味することが大切です。

「例えば、マンションの高層階に住んでいる方なら、水災の補償を付ける必要はあまりないでしょう。一方で、家の近くに川や海がある場合は水災のリスクが高まり、山や崖がある場合は土砂崩れの危険も考えなければなりません。今はさまざまな災害を想定したハザードマップがあるので、それらを活用しながら自宅のリスクを考え、それに見合った補償内容を付けるのがいいでしょう」(平野さん)。

これまで大きな災害に遭ったことのない人にとって、被災時のリアルな状況を想像するのは簡単ではありません。しかし、現実にそうした災害も起こり得る以上、平時から備えておくに越したことはありません。

いざというとき、当面の生活費を支えてくれる補償は何より心強いものです。ぜひ、火災保険の見直しを検討してみてはいかがでしょうか?

火災保険を悪用したリフォーム詐欺にご注意ください
住宅修理などに関し、「保険が使える」と言って勧誘するリフォーム業者とのトラブルが増加しています。このような勧誘については、住宅の修理を業者と契約する前に、ご契約している損害保険会社等へご相談ください。

監修者プロフィール

平野 敦之 | Atsushi Hirano

平野FP事務所代表。保険業界での実務経験を活かして損害保険や生命保険のプロフェッショナルとして活動を展開し、個人や法人を対象としたリスクマネジメントやファイナンシャルプランニングを行っている。実務を重視した活動をしながら講演活動、執筆活動も積極的に実施。

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