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かんたんにわかる 月刊 経済・為替ダイジェスト11月号

ソニーフィナンシャルグループ株式会社の金融市場調査部が最新のマクロ経済・為替相場の見通しについて解説します。

※執筆日(10/27)時点の情報となります。

マクロ経済見通し

執筆者
シニアエコノミスト 渡辺 浩志

渡辺 浩志

中国の孤立化と日本への資金流入

図1:対中直接投資の減少は中国の孤立を象徴

図1:対中直接投資の減少は中国の孤立を象徴

出所:中国国家外貨管理局、SFGI

図2:日本が中国からの逃避マネーの受け皿に?

図2:日本が中国からの逃避マネーの受け皿に?

注:中国株価は取引規制が少なく流動性が高い香港ハンセン指数を用いた

出所:Bloomberg、SFGI

今月のキーワード

脱中国依存(デリスキング)

為替相場見通し

執筆者
シニアアナリスト 森本 淳太郎

森本 淳太郎
ドル高・円安要因
  • ★★☆ 米経済のソフトランディングへの期待
  • ★★☆ 日銀の大規模緩和の継続・政策修正期待の剥落
  • ★★☆ 中東情勢悪化を受けた原油価格の高騰
  • ★☆☆ ロシアとウクライナの停戦期待
ドル安・円高要因
  • ★★★ 政府・日銀による円買い介入もしくは牽制発言
  • ★★☆ 米国の景気悪化懸念の高まり
  • ★★☆ 日銀の早期マイナス金利解除観測
  • ★☆☆ ロシア・中国・中東を巡る地政学リスクの悪化

(各要因の蓋然性を3段階で表示)

過去2ヶ月の為替推移

過去2ヶ月の為替推移

出所:Bloomberg、SFGI

ドル円150円突破の背景

ドル円相場は10月に入ると、150円ちょうどが強い心理的な抵抗線として意識され、148円から150円の極めて狭いレンジでの推移が続いていました。しかし、10月下旬には状況が一変。150円ちょうどを突破すると、ドル買い・円売りが加速する場面が見られました。背景にあるのは、想定以上に強い米国経済です。米国の景況感を表す購買担当者景気指数(PMI)は、製造業が半年ぶりに好不況の節目の50に到達したほか、サービス業も50.9と引き続き底堅さを見せています。米国の政策金利は、連邦準備理事会(FRB)の急速な利上げにより、既にリーマンショック直前の水準を上回っている状況です。それにもかかわらず、米経済が堅調さを保っていることが、ドル買いに繋がっています。

また、米国の金利上昇もドル高要因です。米10年債利回りが5%を超える中、日米金利差の拡大がドル高・円安を牽引しています。米金利が予想外に上昇している背景には、米国の政局不安があります。米下院では、3週間にわたり下院議長が選出されず、政治への不安や政府の機能停止への懸念が、米国債売り(=米金利上昇)に繋がっていました。10月25日には下院議長が選出されたため、こうした懸念は和らぐ可能性が高いですが、米国の政治不安は今後も続く恐れがあり、米金利とドルの高止まりに繋がりそうです。仮にドル円が昨年10月21日につけた151円95銭を上抜けると、その先は目立った節目もなく、ドル高・円安に一段と弾みがつく可能性もあります。ただ、米国の金利上昇もいつまでも続くわけではありません。FRB高官からは「足元の金利上昇は利上げに相当する」との意見も出始めており、利上げ打ち止めがコンセンサスとなれば、金利には低下圧力が掛かります。カギを握る米国の経済指標からは、今後も目が離せません。

ソニーフィナンシャルグループ
アナリストの紹介

尾河 眞樹(おがわ まき)

尾河 眞樹(おがわ まき)

ソニーフィナンシャルホールグループ
執行役員 兼 金融市場調査部長
チーフアナリスト

ファースト・シカゴ銀行、JPモルガン・チェース銀行などの為替ディーラーを経て、ソニー財務部にて為替リスクヘッジと市場調査に従事。その後シティバンク銀行(現SMBC信託銀行)で個人金融部門の投資調査企画部長として、金融市場の調査・分析を担当。2016年8月より現職。テレビ東京「Newsモーニングサテライト」、日経CNBCなどにレギュラー出演し、金融市場の解説を行っている。主な著書に『〈最新版〉本当にわかる為替相場(2023年日本実業出版社)』、『ビジネスパーソンなら知っておきたい仮想通貨の本当のところ(2018年朝日新聞出版社』などがある。ソニー・ライフケア取締役、ウェルスナビ株式会社取締役。

菅野 雅明(かんの まさあき)

菅野 雅明(かんの まさあき)

ソニーフィナンシャルグループ
金融市場調査部
シニアフェロー チーフエコノミスト

1974年日本銀行に入行後、秘書室兼政策委員会調査役、ロンドン事務所次長、調査統計局経済統計課長・同参事などを歴任。日本経済研究センター主任研究員を経て、1999年JPモルガン証券入社(チーフエコノミスト・経済調査部長・マネジングディレクター)。2017年4月より現職。総務省「統計審議会」委員ほか財務省・内閣府・厚生労働省などで専門委員などを歴任。日本経済新聞「十字路」「経済教室」など執筆多数。テレビ東京「Newsモーニングサテライト」、日経CNBC「昼エクスプレス」コメンテーター。1974年東京大学経済学部卒、1979年シカゴ大学大学院経済学修士号取得。

渡辺 浩志(わたなべ ひろし)

渡辺 浩志(わたなべ ひろし)

ソニーフィナンシャルグループ
金融市場調査部 担当部長
シニアエコノミスト

1999年に大和総研に入社し、経済調査部にてエコノミストとしてのキャリアをスタート。2006年~2008年は内閣府政策統括官室(経済財政分析・総括担当)へ出向し、『経済財政白書』等の執筆を行う。2011年からはSMBC日興証券金融経済調査部および株式調査部にて機関投資家向けの経済分析・情報発信に従事。2017年1月より現職。内外のマクロ経済についての調査・分析業務を担当。ロジカルかつデータの裏付けを重視した分析を行っている。

石川 久美子(いしかわ くみこ)

石川 久美子(いしかわ くみこ)

ソニーフィナンシャルグループ
金融市場調査部
シニアアナリスト

商品先物専門紙での貴金属および外国為替担当の編集記者を経て、2009年4月に外為どっとコムに入社し、外為どっとコム総合研究所の立ち上げに参画。同年6月から研究員として、外国為替相場について調査・分析、レポートや書籍、ブログ、Twitterなどの執筆、セミナー講師、テレビやラジオなどのコメンテーターとして活動。2016年11月より現職。外国為替市場の調査・分析業務を担当。

宮嶋 貴之(みやじま たかゆき)

宮嶋 貴之(みやじま たかゆき)

ソニーフィナンシャルグループ
金融市場調査部
シニアエコノミスト

2009年にみずほ総合研究所に入社。エコノミストとしてアジア・日本経済、不動産・五輪・観光等を担当。2011年~2013年は内閣府(経済財政分析担当)へ出向。官庁エコノミストとして『経済財政白書』、『月例経済報告』等を担当。2021年4月より現職。主な著書(全て共著)は『TPP-日台加盟の影響と展望』(国立台湾大学出版中心)、『キーワードで読み解く地方創生』(岩波書店)、『図解ASEANを読み解く』(東洋経済新報社)、『激震 原油安経済』(日経BP)。

森本 淳太郎(もりもと じゅんたろう)

森本 淳太郎(もりもと じゅんたろう)

ソニーフィナンシャルグループ
金融市場調査部
シニアアナリスト

みずほフィナンシャルグループにて企画業務、法人営業などを経験した後、2019年8月より現職。外国為替市場の調査・分析業務、中でも主にユーロなどの欧州通貨に関するレポートを担当している。また、新型コロナウイルスの感染状況と金融市場の関連に特化したレポートを執筆するなど、幅広い観点から金融市場の分析を行っている。

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