ソニー生命

運動が苦手でも大丈夫! 基礎代謝アップのための生活習慣

冬太りや免疫力の低下を防ぐには、まず基礎代謝量をアップすること。そのためには適度な運動が大切ですが、「運動は続かない……」とお嘆きの方も多いのではないでしょうか。実は、基礎代謝量を上げる方法は、運動だけではありません。自宅で無理なく“燃費のよい体”をつくるための、生活習慣のヒントをご紹介します。

2021年11月

今さら聞けない……。そもそも「基礎代謝」って?

「若い頃と食べる量は変わらないのに、太りやすくなった」と感じることはありませんか? それは、基礎代謝量が下がっているからかもしれません。まずは、基本の「基礎代謝」についておさらいしてみましょう。

「人は、体を動かしていないときでも、心拍や呼吸、体温調節などでエネルギーを消費しています。このように、生命活動を維持するために消費される必要最低限のエネルギーのことを、基礎代謝といいます」。

そう話すのは、アスレティックトレーナーの西村典子さん。そもそも、人が活動するために必要な総エネルギー量は、大きく3つに分類できるのだとか。

「まず1つ目は、活動代謝量。私たちが日常生活で体を動かしたり、運動したりするときに必要となるエネルギーです。2つ目は、食事誘発性熱産生。これは、食事をしたときに、体内で栄養素が分解されることで発生するエネルギーのことです。そして3つ目が、基礎代謝量。人の消費エネルギー量のうち、基礎代謝量は全体のおよそ6割を占め、活動代謝量は3割、食事誘発性熱産生は1割程度といわれています」(西村さん)。

消費エネルギーというと、運動などの活動代謝量をイメージする方も多いのでは。ところが、基礎代謝量の割合はその倍を占め、私たちの健康や肥満と密接に関わっていることがわかります。

基礎代謝量が高いと、安静にしているときでも消費エネルギーが増えるので、脂肪の蓄積が少なく太りにくい体になります。また、体温が高くなり血流が促進されるため、血流不全によるさまざまなコンディション不良の改善にも役立ちます。

ただし、基礎代謝量は、加齢とともに減少するもの。若い頃に比べて太りやすくなったと感じるのは、基礎代謝量の低下が大きな原因のひとつです」(西村さん)。

「冬は太りやすい」は間違い? これからの季節、心がけるべきこと

寒くなると気になるのが冬太り。冬は太りやすいイメージがある方も多いと思いますが、実際のところ、基礎代謝量も下がっているのでしょうか?

むしろその逆です。寒くなると、体が体温を上げるために多くのエネルギーを消費するので、冬は基礎代謝量が上がりやすいと考えられています。つまり、普段通りの生活をしていれば、夏よりも冬の方が太りづらい時季といえるでしょう。冬に太りやすいイメージがあるのは、寒さで体を動かす機会が減ったり、イベントが多く食べすぎてしまったりする傾向にあるからではないでしょうか」(西村さん)。

体を動かす機会が減ったという意味では、コロナ禍もまた、太りやすい環境にあるといえそうです。基礎代謝にはどのように影響するのでしょうか。

「筋肉が減ると基礎代謝量も下がりますので、コロナ禍のステイホームの影響で活動量が減った今、全体的に基礎代謝量も減少傾向にあります。これを改善するためには、おうち時間が増えた環境でも、適度に体を動かすことが大切です。

とはいえ、基礎代謝量を臓器別に見てみると、肝臓が最も高く全体の3割を占め、脳が2割、筋肉も2割程度(残りの3割は腎臓や心臓などその他の臓器)。運動は大切ですが、それだけで基礎代謝量が劇的に増えて太りにくい体になる……というのは、実際のところ難しいかもしれません。

筋肉は体の重要な器官であり、活動代謝量を増やすためにも運動は欠かせませんが、基礎代謝を効率よくアップさせるために、まずは生活習慣の見直しから始めてみるといいでしょう」(西村さん)。

今日からできる! 基礎代謝アップの日常習慣

それでは、基礎代謝を高めるための具体的な生活習慣について、西村さんに教えていただきましょう。

・基礎代謝アップに有効な食材を摂る
「『体を内から温めるもの』『筋肉の材料となるもの』『代謝を促すもの』を意識して食材を選んでみましょう。体を温める成分が含まれる食材は、生姜や唐辛子、ネギ、ニラ、ニンニクなど。筋肉の材料になる食材は、たんぱく質を多く含む肉類、魚類、豆類、乳製品などです。さらに、代謝を促すためには、ビタミンB群が豊富に含まれる豚肉などの食材を積極的に摂るといいでしょう。基礎代謝アップに有効な食材を摂ることで、肝臓の基礎代謝量にもつながります」(西村さん)。

・三食きちんと、よく噛んで食べる
「冷たい飲み物やアイスクリームなどは、内臓の働きを鈍くして基礎代謝を下げてしまう懸念があります。同じ飲み物ならアイスよりホットなど、なるべく体が温まるものを選ぶよう心がけてみましょう。また、食事誘発性熱産生を減らさないためにも、食事は三食きちんと摂ること。よく噛むことで消化活動が活発になり、肝臓の基礎代謝量も食事誘発性熱産生も大きくなるといわれています」(西村さん)。

・起床後のストレッチ、コップ一杯の水分を習慣に
「朝の運動は基礎代謝によい影響をもたらすことが期待されています。ラジオ体操は習慣化しやすく、時間も短いのでおすすめです。難しければ、カーテンを開けて気持ちよく伸びをしたり、軽くストレッチを行ったりするだけでもよいでしょう。また、起きたらコップ一杯の水や白湯を飲んで水分補給することを習慣に。特に白湯は、胃腸が温められて活性化し、基礎代謝アップが期待できます」(西村さん)。

・普段の活動量を増やす工夫を
「エスカレーターの誘惑に負けず階段を利用する。電車やバスでは座らずに立つ。歯磨きの間はつま先立ち。ゴミ出しのついでに近所を散歩……。わざわざジムに通わなくても、日常生活で活動量を増やす方法はたくさんあります。ご自宅でエクササイズ動画などを利用して、短時間でも体を動かす機会を設けてみるのも◎。スクワットや階段を使った踏み台昇降運動など、筋肉量が多い下半身を使った運動がおすすめです」(西村さん)。

・入浴時は湯船に浸かる
「体温が高くなると血流がよくなり、疲労物質や老廃物などの代謝サイクルがスムーズに行われることで、基礎代謝アップが期待できます。入浴方法には諸説ありますが、基礎代謝をアップするためにはシャワーだけではなく湯船に浸かりましょう。ぬるめのお湯に20分ほどゆっくり浸かるのが理想です。適度に体を温めることで入眠もスムーズになり、基礎代謝アップに有効な生活習慣のベースづくりに役立ちます」(西村さん)。

「基礎代謝を上げるためには、まずは運動!」……とは限らず、日々のちょっとした努力や工夫で、“燃費のよい体”のベースづくりが叶うことがわかりました。上記の5項目は、基礎代謝量の3割を占める肝臓の基礎代謝量を上げることにもつながりますので、さっそく今日から、基礎代謝向上のための生活習慣を始めてみてはいかがでしょうか。

監修者プロフィール

西村 典子 | Noriko Nishimura

日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー。20年以上にわたり高校生・大学生を中心にスポーツ現場でのトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、ストレングス&コンディショニングに関する教育啓蒙活動を行っている。またスポーツ選手のみならず、一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンなど、さまざまな年齢層に対して活動している。一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。

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