ソニー生命

年末年始の暴飲暴食をリセット! 疲れをため込まない食事法

忘年会やお正月、新年会など、以前のように大勢で過ごす年末年始ではなかったとしても、つい食べ過ぎたり、飲み過ぎたりしてしまった方もいるのではないでしょうか。暴飲暴食は疲労の原因にもなるため、年明け早々「体の調子がイマイチ……」なんてことにもなりかねません。ここでは、食の専門家が、食事と疲労のメカニズムについて解説。食事による体の疲れをリセットして、万全な体調で新年を過ごしましょう。

2022年01月

食べ過ぎ・飲み過ぎで体調を崩してしまうのはなぜ?

食べ過ぎたり飲み過ぎたりしたとき、胃もたれや胸やけはもちろん、「なんだか体が疲れてる……」と感じたことがある方は多いかもしれません。暴飲暴食をすると、なぜ疲労を感じるのでしょうか。NR・サプリメントアドバイザーでフードコーディネーターとしても活躍する南恵子さんに、そのメカニズムについて教えていただきました。

暴飲暴食による体の疲労は、肝臓を働かせ過ぎていることが密接に関係しています。肝臓は、私たちが食事で摂取し吸収・分解された栄養素からエネルギーを産生し、必要であれば貯蔵します。また有害な物質を処理するなど、いわば化学工場のような器官。過剰な量の食事を摂取すると、それらを処理する作業に追われてしまい、肝臓が疲弊して機能が十分に果たせなくなると、有害物質がたまったりエネルギーが不足したりするなどして、結果として体に疲労感を覚えると考えられます。

もちろん、食べ過ぎや飲み過ぎは、胃にも負担がかかります。夜遅くまで食べたり飲んだりして、食事のリズムのパターンが変わると、胃のリズムにも変化が表れます。胃の蠕動(ぜんどう)運動(食べたものを胃酸とともに攪拌し、腸へ送る運動)がスムーズに行われなくなり、胃もたれの原因になります。また、食べ過ぎによる胃酸過多で、胸やけを感じることもあります」(南さん)。

加えて、お酒が好きな方は要注意。栄養素の観点から考えてみても、アルコールの過剰摂取は疲労や肥満の大きな原因なのだとか。

「特に、アルコールやたんぱく質の多い食品は、肝臓で分解する際にアンモニアが発生します。体にとって有害物質であるアンモニアを分解するために肝臓がさらに稼働しなければならず、いっそう疲労を感じやすくなるといえます。

また、ご飯など穀物から摂取できるブドウ糖は体の大切なエネルギー源ですが、ブドウ糖がエネルギーに変換するためにはビタミンB1が必要です。お酒を大量に飲むと、アルコールを分解するために肝臓でビタミンB群が大量に消費され、糖の代謝にビタミンB1が使えずエネルギー不足になりがちに、すなわち疲労しやすくなるというわけです。また余った糖は脂肪として体にたまりやすくなります。お酒を飲み過ぎると体が疲れたり太りやすくなったりするのは、こうした理由も挙げられます」(南さん)。

暴飲暴食をリセット! 体内を整える食生活のポイント

とはいえ、イベントが多い年末年始に、普段の食事のリズムをキープするのはなかなか難しいもの。つい暴飲暴食をしてしまったとき、どのようにリセットすればいいのでしょうか? そのポイントを伺いました。

・次の日の食事は控えめに……でも何も食べないのは逆効果
「胃もたれを起こしている場合は特に、次の日の食事を控えめにして、肝臓や胃を休ませてあげることが大切です。ただし、胃酸の逆流や、みぞおちの辺りが焼けるように感じるなどの胸やけの症状がある場合、何も食べないでいるのは逆効果。胃酸過多で胃が荒れてしまう恐れがありますので、少量でも、消化のいいものを食べることをおすすめします」(南さん)。

・柔らかく、食物繊維の少ない食材をチョイス
「消化にいいものとは、柔らかく、食物繊維の少ない食品のこと。例えば、油っぽいものはもちろん、野菜のなかでも、根菜のような固いものや、キノコのように食物繊維が豊富な食材は避けた方がいいでしょう。おすすめは、カロテンやビタミンC群・B群が豊富なカボチャです。柔らかく炊いたりスープにしたりして食べれば、効率よく栄養が取れます」(南さん)。

・うどんを「ズルズル」食べるのは禁物
「お粥やうどんなどの穀類は消化がいいだけでなく、体内で即エネルギーになってくれる糖質が主体なので、暴飲暴食のリセットにおすすめです。ただし、うどんをズルズルと飲み込むようにすすって食べるのはやめましょう。胃に負担がかからないよう、麺類は細かく切るなどして、よく噛んで食べることが大切。噛めば消化酵素が多く分泌され、消化の手助けにもなります」(南さん)。

・飲み物はカフェインが少ないものを
「コーヒーや緑茶は二日酔いの頭をスッキリさせますが、食べ過ぎで胃がしんどいときは、刺激成分であるカフェインは控えめに。例えば、緑茶なら通常の煎茶や玉露などは避け、カフェインの少ない番茶を選ぶなどの工夫をしましょう」(南さん)。

・飲み過ぎには「オルニチン」がおすすめ
「昔から二日酔いのときにシジミ汁といわれ、飲むとホッとするという方も多いのでは。これは、シジミに含まれる『オルニチン』というアミノ酸に、疲労回復や、肝臓の働きを促す効果があるためです。オルニチンを豊富に含む食材といえばシジミが代表的ですが、他にもシジミ以外の貝類や、ブナシメジやマイタケなどキノコ類にも含まれています。お酒を飲み過ぎた際には、これらの食材を取り入れるのもいいでしょう」(南さん)。

規則正しい食生活が「疲れにくい体」をつくる

年末年始に限らず、コロナ禍による生活の変化で食事のペースが乱れたり、自宅飲みでお酒の量が増えたりした方も多いのでは。これを機に食生活を見直し、体に負担がかかりづらい食べ方を意識してみてはいかがでしょうか。

健康な食生活の第一歩は、朝昼晩と、三度の食事をなるべく同じリズムで取ること。なおかつ、夕食は、なるべく20〜21時ごろまでに取ることが理想的です。

胃腸や肝臓などの消化器官は、就寝時、副交感神経が活発な時間帯に最もよく活動することがわかっていますが、この場合エネルギーを脂肪に蓄える方向に働きますので、就寝前にしっかりと消化する時間を数時間取ることが望ましいといえます。

また、『体内時計』と表現されますが、人間の体には、遺伝子レベルで時間を刻むメカニズムが組み込まれており、不規則な食生活によりこの体内時計の針が狂うと、睡眠障害や高血圧など、さまざまな体の不調が表れるといわれています」(南さん)。

積極的に取るべき食材や栄養素はありますか?

「まずは穀物に含まれるブドウ糖など、体のエネルギー源となるもの。そして、先ほど述べた通り、それらからエネルギーを産生するためのビタミンB1(豚肉や大豆製品、卵など)やミネラル(海藻、果物、乳製品など)も欠かせません。そうした意味で、毎日の食事では、さまざまな栄養素をバランスよく取り入れることが何よりも大切です。

近年の疲労に関する研究の観点からいうと、疲労はさまざまなストレスによって体内で増えた活性酸素が細胞を傷つけることが原因と考えられています。疲労回復やストレス軽減のためには、活性酸素を抑える抗酸化作用のある成分が効果的と考えられています。抗酸化成分では、ビタミンCやビタミンE、β-カロテンなどが挙げられますが、最近では『イミダゾールジペプチド』というアミノ酸が注目されています。

これは、長距離を移動する渡り鳥やマグロ、カツオなどの生物が含有する成分で、彼らの驚異的な運動能力の源になっていると考えられています。身近な食材なら、鶏の胸肉やカツオ出汁からも摂取でき、疲労回復の効果が期待されていますので、積極的に食卓に取り入れてみてもいいかもしれません」(南さん)。

監修者プロフィール

南 恵子 | Keiko Minami

NR・サプリメントアドバイザー、フードコーディネーター、エコ・クッキングナビゲーター、日本茶インストラクター。現在は食と健康アドバイザーとして、健康と社会に配慮した食生活の提案、レシピ提供、執筆、講演等を中心に活動。毎日の健康管理に欠かせない食に関する豊富な情報を発信している。

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