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家計管理

2022.11

冬の節電テクニック! 省エネ・創エネ・蓄エネのポイント

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冬は、一年のうちでもっとも電気代がかさむ季節。それに加えて、今夏は“電力ひっ迫”が話題となり、消費電力の今後の見通しに不安を覚える方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、来たる冬に備えて節電対策をご紹介。近年注目が集まっている、家庭で実践可能な「創エネ」や「蓄エネ」についても解説します。

2022年11月

「電力ひっ迫」、今年の冬はどうなる?

「電力ひっ迫」という言葉が注目された今夏。6月には東京電力管内において電力需給ひっ迫注意報が発令され、実に7年ぶりに、全国規模で節電要請が実施されました。今年の冬も同様の傾向が見られ、電力なしでは生活できない現在の暮らしはどうなってしまうのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの二宮清子さんにお話を伺いました。

二宮さん:電力需給ひっ迫注意報の背景には、世界的な燃料価格高騰が挙げられます。コロナ禍によって在宅時間が長くなったことも挙げられますが、それだけではありません。

ウクライナ情勢の緊迫化などの影響で、産出量・輸出量ともロシアが上位を占めている原油、天然ガス、石炭の価格が上昇しており、燃料調達リスクによる電力ひっ迫の危機が叫ばれています。もちろん、気候変動による影響で、エアコンの稼働率が上昇傾向だったことも無関係ではないでしょう」

国内ではもとより、原子力発電所の長期停止や火力発電所の休廃止などによる影響を指摘する声もありました。さまざまな要因で引き起こされた6月のような電力不足は、今年の冬も、引き続き課題となるのでしょうか?

二宮さん:「経済産業省の報告によると、2022年冬季の電力需要は、10年に一度の厳寒を想定した場合、東京から九州までの計7エリアで予備率3%を下回る可能性が高いとのこと。特に東北・東京エリアにおいて、1~2月は予備率がマイナスになる見通しだそうです。

予備率とは、ピーク時の電力需要に対して供給力の余裕がどの程度あるかを示す指標で、安定供給には3%が最低限必要とされています。マイナスとなると極めて厳しい状況で、今年の冬も、引き続き節電への高い意識が必要になるでしょう」

かさむ電気料金……「燃料費調整額」「再エネ賦課金」の上昇も

電力不足になると心配なのが電気料金。少々意外かもしれませんが、一年で最も電気料金が高くなる季節は冬です。

二宮さん:「夏は酷暑でエアコンをフル稼働しているイメージがありますが、実は冬の方が、各家庭の電気料金は高くなる傾向にあります。エアコンのほか、こたつやヒーター、ホットカーペットなど、さまざまな暖房器具が稼働するからです。加えて、キッチンで温かいものを調理したり、入浴で給湯したりする機会が増えることも挙げられます」

出典:総務省「家計調査(家計収支編)」をもとにソニー生命作成

さらに、ここ数年の家庭の電気料金においては、「燃料費調整額」と「再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)」の上昇にも注目が集まっているそうです。電力会社から毎月届く検針票や電力会社の個人の明細ページなどには両者が必ず記載されていますが、何のお金が徴収されているのでしょうか。あらためて、それぞれの内容について教えていただきましょう。

二宮さん:「『燃料費調整額』とは、石油や石炭、天然ガスなどの輸入燃料の調達コストの変動を、電気料金に反映させたもの。燃料の価格が安い場合はマイナス調整となり、価格が高騰すればプラス調整となります。昨今ではやはり、ウクライナ情勢の緊迫化などによる燃料高騰でプラス調整が続いており、燃料費調整制度※1で元来定められていた上限額を撤廃する電力会社が増えています。それに伴い、各家庭の電気料金の上昇も続くことが懸念されています。

『再エネ賦課金』とは、太陽光などの再生可能エネルギーに対する買い取り費用の負担額のことです。再生可能エネルギーを普及させるために、毎月支払うことが国民に義務付けられています。全体の電気料金の1割程度と言われていますが、再生可能エネルギーの普及に伴い、少しずつ値上がりしているのが現状です。しかし、2030年には固定価格買取制度※2の期間が満了し、再エネ賦課金は徐々に下がる見通しです」

※1 燃料価格の変動分を電気料金に転嫁する仕組みで、反映が可能な燃料費には上限が設けられており、これまで国内の一般家庭への影響は限定的だった
※2 個人や法人が再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度のこと。2030年あたりをピークに固定買取の契約の終了(卒FIT)を迎えることが予想されている

今すぐ実践できる、冬の節電術

以上のさまざまな背景から、今年の冬はいつも以上に節電に気を使いたいもの。それでは、二宮さんに冬の節電のポイントを教えていただきましょう。

■エアコンはこまめに消すのではなく、つける時間を短くする
冬の消費電力が最も多いのはエアコンです。まずはフィルターの掃除を最低でも月に一度は行うようにしましょう。また、家電製品は立ち上げ時に最も電力を消費するので、こまめにつけたり消したりするのは逆効果の可能性も。コンビニなど短時間の外出ならむしろつけたままで、使用時間自体をなるべく短くすることを心がけましょう。ちなみに経済産業省では、冬のエアコンの設定温度に20℃を推奨していますが、無理のない範囲で適温をキープできるといいですね。

■冬のエアコンの使い方による省エネ効果
外気温度6°Cの場合、エアコン(2.2kW)の暖房設定温度を21°Cから20°Cにした場合
(使用時間:9時間/日)
年間で
1,430円
の節約
暖房を1日1時間短縮した場合
(設定温度:20°C)
年間で
1,100円
の節約
フィルターを月に1〜2回清掃した場合 年間で
860円
の節約

※暖房期間 5.5か月(10月28日〜4月14日)の169日間、27円/kWhで算出。

出典:経済産業省「省エネポータルサイト」をもとにソニー生命作成

■冷蔵庫にはゆとりを、冷凍庫は詰め込んでOK
エアコンに次いで消費電力が多いのが冷蔵庫です。まずは省エネモードに切り替え、温度設定を「弱」にしましょう。また、冷蔵庫は食材を詰め込み過ぎないことが大切。庫内がギュウギュウだと冷風の循環が悪くなり、食材を取り出すのにも時間がかかってしまうため、温度調整機能が余計に働き消費電力が増えてしまいます。

ただし、冷凍庫は逆の発想。凍った食品自体が庫内の温度を下げるのに役立つため、むしろたくさん詰め込んだ方が節電に効果的だと言われています。

家族で共有したい、持続可能な省エネへの意識

家庭で実践できる取り組みとして、「省エネ」「創エネ」「蓄エネ」に注目が集まっています。電気を家庭で「創」り、「蓄」え、無駄を「省」いてエネルギーを効率的に使用するための取り組みです。

二宮さん:「よく知られているのが太陽光発電、そして家庭用蓄電池です。家庭用蓄電池とは、太陽光発電の余剰電力や電力会社から購入した電力を蓄え、必要なときに活用できるバッテリーのこと。節約や環境への配慮はもちろん、停電や災害時にも役立つことから、蓄電池で自家消費するご家庭が少しずつ増えています。

蓄電池のみを設置してもメリットはありますが、太陽光発電や電気自動車などと併せて活用するのが一般的です。なぜなら、複数の省エネシステムを組み合わせて設置することで、トータルとして初期費用等をおさえられるケースがあるためです。例えば、蓄電池と電気自動車をセットで購入することで100万円近い補助金を享受できるケースもあり、長期的な電気代やガソリン代の節約だけでなく、初期費用も安くなります。

一方で、いずれのシステムにも寿命があることに注意しましょう。例えば、一般的に蓄電池の寿命は約10年と言われており、導入の際には初期投資とリターンのバランスを考えておく必要があります。また、太陽光発電は、パネルを設置するにあたって環境の向き・不向きがあります。日照時間が長い平野部、かつ、南向きの片流れ屋根が理想とされていますが、各ご家庭で『どのくらい発電させたいか』にもよりますので、毎月の使用電気量をしっかりと把握しておくことが大切です」

二宮さんご自身も、太陽光発電や電気自動車を導入し、創エネや畜エネを通じた省エネに取り組んだことがあるそうです。あらためて、エネルギーを自給自足することのメリットについて、ご意見をお聞かせください。

二宮さん:「わが家は太陽光発電を導入していましたが、自宅内にパネルがあって、毎日の発電量と消費電力が数字で表示されていました。それを目にするたび、『今日は節電できたな』とか、『天気が良かったからたくさん発電できたな』といったように、意識せずとも省エネに興味が湧くんです。

そうした環境で子どもが育てば、とても自然な形で、地球環境に対しての意識が高まるのではないかと思います。次世代につなぐといった意味でも、環境への持続可能な取り組みへの第一歩になるのではないでしょうか」

本記事は2022年11月時点で施行されている法律に基づいて執筆しています。

監修者プロフィール

二宮 清子 | Kiyoko Ninomiya

日本FP協会ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、All About「家計簿・家計管理」ガイド。日本大学短期大学部卒業後、中学・高校の家庭科教師として勤務。その後、自動車販売会社勤務を経て、ファイナンシャルプランナーの道へ。主婦時代に赤字家計に転落した自身の体験を元に、節約や家計マネジメントについてのさまざまな情報を発信している。