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健康管理
2025.09
最近、モノがぼやけて見える、以前よりまぶしく感じることはありませんか?もしかしたらそれは白内障のサインかもしれません。年齢を重ねることで発症する病気と思われがちですが、実は加齢だけでなく、性別や遺伝、さらには飲酒や紫外線などの生活習慣が原因で40代以下で発症ケースもあるため、若い世代も予防法を知っておくことが大切です。本記事では、白内障になる意外な原因から、日常生活でできる予防法、発症した際の治療法まで、詳しく解説します。大切な目の健康を守るためにぜひご一読ください。

白内障は、目の中にある水晶体という組織が濁る病気です。一般的に高齢者に多い病気と思われていますが、実は発症する要因は加齢だけではありません。たとえば、タンパク質の酸化や水晶体の体積増加で混濁することもあり、40代以下で発症する方もいます。


白内障の原因には、大きく分けて個人要因と環境要因の2パターンがあります。
【個人要因】
白内障は、加齢や性別等で発症リスクが高まります。年代別で見ると、40代で2.5〜3%、50代で40〜50%、60代で60〜80%、70代で90%程度、80歳以上の方ではほぼ100%の方に何らかの白内障症状が見られると言われています。
| 年代 | 発症割合 |
|---|---|
| 40代 | 2.5〜3% |
| 50代 | 40〜50% |
| 60代 | 60〜80% |
| 70代 | 90%程度 |
| 80歳以上 | ほぼ100% |
40代以下で白内障を発症するケースもあるものの、傾向としては高齢になるほど発症率が高くなると考えて良いでしょう。
また、女性は男性と比べて早く白内障になる傾向にあり、これは女性ホルモンが影響していると考えられています。
【環境要因】
環境要因としては、喫煙や紫外線、糖尿病などが挙げられます。これらは、さらされる量が多く、期間が長いほど白内障の発症リスクが増すこともわかっています。
たとえば、「紫外線に当たる量が多い」「喫煙の量が多い」「長期間血糖値が高い」といった状態になるほど白内障の発症リスクが高くなります。
とくに紫外線は、年齢や生活スタイルにかかわらず、多くの人が自然にさらされているリスクです。紫外線を長時間浴びると、体内で活性酸素という物質が増え、目の中の水晶体を傷つける可能性があります。こうした環境リスクが高い状態で生活していると、40代以下で白内障を発症することもあるでしょう。

白内障で見られる「水晶体の濁り」には、主に4つのタイプがあり、それぞれ見え方や自覚症状が異なります。各タイプの特徴は以下のとおりです。
| 白内障の種類 | 特徴 | 見え方 |
|---|---|---|
| 皮質白内障 |
・水晶体の外側の皮質から濁りが始まる ・加齢による白内障で最も多い ・進行は比較的緩やか |
明るい場所での見えにくさや視力低下 |
| 核白内障 |
・水晶体の中心部である核が濁る ・濁りが進行すると水晶体の中心が硬化 |
近視が急激に進行 |
| 後嚢下(こうのうか)白内障 |
・水晶体の後ろ側(後嚢)が膜状に濁る ・薬剤性白内障や糖尿病性白内障で見られる。 |
近くを見る視力が低下しやすい傾向 |
| 前嚢下(ぜんのうか)白内障 |
・水晶体の前側(前嚢)に接する箇所が濁る ・アトピー性皮膚炎に伴う白内障で見られる |
光がまぶしく感じやすい |

白内障によって一度濁った水晶体は、自然に元の状態に戻ることはありません。そのため、症状が進行した白内障の治療は、手術療法が一般的です。白内障の手術では、混濁した水晶体を取り除いて、代わりに人工の眼内レンズを挿入します。ただし、日常生活に支障がない状況であれば、点眼薬を処方して進行を遅らせる保存療法を行う場合もあります。
過去にレーシック手術を受けた方も、白内障の手術を受けることは可能です。レーシック手術は角膜、白内障手術は水晶体と施術対象が異なるため、基本的に影響はありません。ただし、白内障がある状態でレーシック手術を受けても視力回復が期待できないため、医師の判断でレーシック手術を行えないこともあります。
フェイキックIOL(ICLや眼内コンタクトレンズ)を入れている場合は白内障の手術を受けることは可能です。フェイキックIOLに使用するレンズは簡単に取り外せるため、いったん取り外して白内障の手術を行います。

白内障の発症や進行を完全に防ぐ方法は、まだ明らかになっていません。進行を遅らせるためには、発症リスクや進行を早める要因を知り、日頃から対策をとることが大切です。たとえば、屋外で太陽光に長時間さらされることが多い方は、サングラスや帽子、日傘などを利用して紫外線から目を保護すると良いでしょう。
さらに、喫煙習慣や過剰なアルコール摂取は白内障の進行リスクを高めると報告されているため、できるだけ控えることも白内障の予防につながります。
また、バランスの取れた食生活を心がけることも重要で、ビタミンCなどの抗酸化成分は、活性酸素の働きを抑えて目を守ってくれます。主に野菜や果物に多く含まれているため、日頃の食事で意識的に取り入れると良いでしょう。
とくにビタミンCが豊富な野菜や果物は、以下の表をご参照ください。
| 代表的な野菜や果物 | ビタミンC含有量(可食部100gあたり) |
|---|---|
| パプリカ(赤・黄・オレンジ) | 150〜170mg |
| 芽キャベツ | 160mg |
| キウイフルーツ | 140mg |
| ブロッコリー | 140mg |
| とうがらし | 120mg |
| パセリ | 120mg |
| 菜花(なばな) | 110mg |
| カリフラワー | 81mg |
| 柿/甘柿 | 70mg |
| あけび | 65mg |
| いちご | 62mg |
| オレンジ/ネーブルオレンジ | 60mg |
ビタミンCは、水に溶けやすい水溶性ビタミンの一種です。そのため、茹でる・煮るなどの加熱料理をすると50%ほど減少し、すりおろす・漬けるなどの非加熱料理でも30%ほど減少します。できるだけ多くのビタミンCを摂取したい場合は、なるべくそのまま食べるのがおすすめです。

白内障は、高齢になるほど発症しやすい病気ですが、年齢だけが原因ではありません。生活習慣などの環境要因で発症する場合もあるため、若いうちから意識的に対策をしておくことが大切です。
白内障のリスクを下げるためには、野菜や果物を積極的に食べる、喫煙や過剰なアルコール摂取を控える、紫外線を避けるなどを意識するとよいでしょう。白内障の症状が進行すると手術が必要になるため、日頃から気を付けておきましょう。
もし、見え方に異変を感じ、少しでも不安がある場合は、早めに眼科を受診し、専門医に相談しましょう。早期発見・早期治療が大切な目を守る第一歩です。
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監修者プロフィール
大高 功 | Isao Otaka
慶應義塾大学医学部卒。日本眼科学会認定眼科専門医。一発の手術でその人の人生の流れを変えられるような「眼外科医」を目指し、目の手術は何でも手がけております。眼科手術全般を専門とする強みを活かしながら、患者さんへの話で心がけているように、できる限り分かりやすく、目のしくみや病気について解説していきます。
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