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病気の予防

2026.02

歯周病の原因と治療法・予防法は?35歳以上の約半数が罹患の現実

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歯周病は、多くの方が罹患している身近な病気です。さらに、歯周病が全身状態にも影響を及ぼし、糖尿病や脳梗塞などの原因となる可能性もあります。歯周病の治療や予防で特に大切なのは、毎日のセルフケアです。
また、年代によって歯周病の原因は異なるため、それぞれの特徴を理解しておきましょう。本記事では、年代別の症状や原因、年代を問わず意識したい予防法などについて詳しく解説します。

歯周病の症状

歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りにある歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨が溶けてしまう病気です。

歯周病の初期段階では、歯肉の辺縁が炎症を起こし、発赤や腫脹が見られますが、ほとんどの場合で痛みはありません。
症状の進行に伴い、歯みがき時に出血したり、すすいだ水に血が混じったりするようになります。さらに進行すると、以下のような症状が現れ始めます。

  • 朝起きた時に口の中がネバネバする。
  • 口臭が気になる。
  • 歯肉が下がり、歯が長く見えるようになる。
  • 歯肉を押すと血や膿が出る。
  • 歯と歯の間に食べ物が詰まりやすくなる。

上記の症状が出ている状態で治療を受けずに放置した場合、最終的に歯を支える土台である歯槽骨が溶け、歯を失うケースもあります。気になる方は早めに歯科医師に相談しましょう。

・虫歯と歯周病の違い
虫歯と歯周病の違いをきちんと理解している人は、意外と少ないかもしれません。以下は虫歯と歯周病のそれぞれのイメージ図です。

虫歯が歯の病気であるのに対して、歯周病は歯肉の病気です。虫歯は、口の中の細菌が食べカスを食べて酸をつくり出し、それが歯を溶かしていくことで進行する一方で、歯周病は細菌が歯と歯肉の間の『歯周ポケット』と呼ばれるスペースに入り込み、歯肉の炎症などを引き起こします。

歯周病と関連する病気

歯周病は、口腔内だけの問題ではありません。その炎症や細菌が全身のさまざまな臓器に影響を及ぼし、多くの全身疾患のリスクを高めたり、悪化させたりする可能性が明らかになっています。
歯周病と特に関連性が指摘されている疾患は以下のとおりです。

<歯周病と関連する病気>

  • 糖尿病:糖尿病の人は歯周病になりやすく、歯周病だと糖尿病が悪化しやすい
    歯周病の炎症性物質がインスリンの働きを妨げるため、高血糖になりやすくなります。一方で、糖尿病による免疫機能の低下や、唾液分泌量の低下は、歯周病を悪化させる原因になります。このように、両者は互いに悪影響を及ぼし合う関係にあります。
  • 脳梗塞:歯周病の人は2.8倍脳梗塞になりやすい
    歯周病菌が歯ぐきの出血部から血流にのり、血管の壁を傷つけて動脈硬化を進行させ、脳梗塞の発症につながります。
  • 認知症:歯の喪失や歯周病がアルツハイマー病のリスクを高める
    歯周病菌が血流にのって脳に到達した際に脳内で作り出す酵素が、アルツハイマー病の原因物質の生成や蓄積を増加させると言われています。
  • 誤嚥性肺炎:炎症の原因となる菌の多くは歯周病菌
    歯周病菌が唾液に混ざり、食べ物と一緒に誤って気管に入り、肺で増殖することによって、誤嚥性肺炎を引き起こします。

歯周病の罹患率(4mm以上の歯周ポケットをもつ人の割合)

※出典:厚生労働省 令和6年歯科疾患実態調査よりソニー生命作成

注目すべきは若年層です。15〜24歳ですでに約24.7%、25〜34歳 では約4人に1人が歯周病に罹患しています。
歯周病は高齢者の病気というイメージがあるかもしれませんが、実は若い世代にとっても決して他人事ではないのです。

歯周病の原因・特徴とリスク

歯周病の最も直接的な原因は、歯の表面に付着する歯垢(プラーク)です。

口の中には400~700種類の細菌がすんでいますが、ブラッシングが不十分だと、これらの細菌がネバネバした歯垢を形成します。
歯垢1mgの中には数億~10億個の細菌が存在すると言われ、細菌が出す毒素が歯肉の炎症を引き起こし、やがて歯を支える骨を溶かします。

歯垢は粘着性が強いため、うがいでは落ちません。磨き残しによって残った歯垢を放置すると硬い歯石となり、ブラッシングでは取り除けなくなり、毒素を出し続けて歯周病を進行させます。

また、喫煙も歯周病を悪化させるリスク要因です。発症率が高まるだけでなく、重症化もしやすいと言われています。ニコチン作用により、歯肉の腫れや出血が抑えられ、症状に気付きにくくなる点にも注意が必要です。

歯周病はどの年代でも起こり得ますが、進行度やリスクには特徴があります。
歯周病の一つの判断基準となる、歯周ポケット(4mm以上)の保有者の割合は、20代でも約25%。
年齢が上がるほど加齢による体力や免疫力の低下とともにその割合も上がり、55歳以上では半数以上となっています。

年代ごとに歯周病の原因は異なり、各年代で見られる歯周病の特徴は以下のとおりです。

【年代ごとに特徴的な歯周病の原因】

  • 10代〜20代:磨き残しによる歯肉炎(歯肉の炎症)
  • 30代〜40代:忙しさや生活習慣の乱れによる口内環境の悪化
  • 50代以上:若い頃からの積み重ねで進行した歯周病が見つかる

歯周病の治療法

歯周病は、かつて歯を失う大きな原因として恐れられていましたが、現在では進行を阻止し、健康を取り戻せる疾患です。

主な治療は、原因である歯垢を徹底的に除去し、歯石を取り除く「歯周基本治療」が中心となります。
この基本治療は、患者自身が行う正しいセルフケア(ブラッシング)と、歯科医院で行う専門的なプロフェッショナル・ケア(歯石除去など)をセットに行うものです。

軽度の歯肉炎や歯周病であれば、この基本治療だけで治ることもあります。また、ぐらつく歯の負担を軽くするために、歯科医院で噛み合わせの調整を行うことも治療の一環です。

基本治療で歯肉の奥に溜まった汚れが取り除けない場合や、進行が進んだ状態に対しては、ポケットの深さを減少させる歯周外科治療が行われます。
さらに、特殊な材料を用いて失われた骨を再生させる手術(再生療法)が適用されることもあります。

なお、歯周病の基本的な治療は保険適用で受けられます。ただし、歯科医院によっては自費診療で行う高度な治療を提供しているところもあります。
そのような治療を希望する場合は、事前に内容や金額を確認するとよいでしょう。

歯周病の予防法

歯周病は、歯の周りに付着する細菌の塊である歯垢が原因となるため、歯垢をためない、増やさないことが最も重要です。
定期的な検診を行い、セルフケアについて歯科医院で正しい指導を受けて、歯の表面を清潔な状態に保ちましょう。

歯垢(プラーク)除去に効果的な磨き方は、力を入れすぎず、歯ブラシの毛先を確実に当てて小刻みに動かすことが大切です。
プラークは粘着性が高いため、1日に最低1回は時間をかけて(5~10分程度)、特に寝る前に丁寧に磨くことを意識しましょう。

また、歯磨き粉はフッ素配合のものがおすすめです。フッ素には、歯の表面のエナメル質と反応して歯を強化し、酸に強い状態にする働きがあり、WHOも推奨しています。

【歯の磨き方】

  • 歯ブラシは手のひらで握るのでなく、鉛筆やペンと同じように3本の指で軽く支えるようにします。
  • 強い力で磨くと歯ぐきを傷つけることがあるため、力をいれすぎないように気をつけましょう。

  • 歯を1本ずつ意識して、小刻みに動かしながら丁寧に磨きましょう。

  • 歯に対して、歯ブラシの毛先を90度の角度で当てるようにしましょう。

  • 歯と歯ぐきの境目は45度の角度をつけて磨くと、歯と歯ぐきの間の汚れを掻き出すことができます。

また、デンタルフロスを定期的に使用する人は、歯周ポケット(歯と歯肉の間にある隙間)のプラーク形成を予防できるとされています。
歯周ポケットは歯周病の原因となるため、デンタルフロスの使用は歯周病予防にも効果的です。

デンタルフロスを使う際は、歯周ポケットをきれいにしたいあまり、力を入れすぎないよう注意しましょう。
前後にゆっくり動かしながらフロスを入れ、歯の側面にフロスを押し付けるようにして前後に数回動かしながら抜くと、歯周ポケットから歯の側面までお手入れできます。

また、歯と歯の間のすき間が広い部分には、歯間ブラシを使うのがおすすめです。使い方に不安がある場合は、歯科医院で正しい方法を教えてもらうと良いでしょう。

【デンタルフロスの使い方】

他にも、食事の際に1口20〜30回とよく噛む習慣を身につけると、唾液の分泌が増え、口内の自浄作用を高めます。
また、喫煙は歯周病の主要なリスク要因であり、禁煙をするだけで罹患リスクが約40%減少すると言われています。

さらに、定期的に歯科医院でのクリーニングや検査をすると安心です。ある研究データによると、定期的な歯科検診の受診を中断したグループは、継続したグループに比べて、歯肉炎の発症率が有意に上昇したという報告があります。
このデータから、歯に異常がなくても定期受診を続けることで、歯周病になるリスクを下げられる可能性があります。予防のためには、目安として、半年に一度程度を目安に検査やクリーニングを受ける習慣を持つとよいでしょう。

まとめ

歯周病は、35歳以上の成人のうち約半数が罹患していると言われています。初期・中期には自覚症状が乏しく、気付かない間に進行してしまうため注意が必要です。

主な原因は、歯の表面に付着する歯垢であり、加齢による免疫力の低下も進行を加速させます。歯周病の炎症性物質は血管を通じて全身へ回り、糖尿病を悪化させるほか、心筋梗塞や脳梗塞といった動脈硬化性疾患のリスクを高めると言われています。さらに、認知症との関連も指摘されています。

歯だけでなく全身の健康を守るためにも、日々の正しいセルフケアに加え、たとえ自覚症状がない場合でも、半年に一度を目安に歯科健診を受けましょう。

監修者プロフィール

丸山 和弘 | Kazuhiro Maruyama

地域密着型の現役歯科医師。小さな子どもの虫歯予防からお年寄りの入れ歯相談まで、数多くの症例と日々向き合い、1995年より臨床一筋。虫歯、親知らず、口内炎、歯周病などを防ぎ、歯の健康を守るための基礎知識や、歯の治療に関する情報をわかりやすく解説します。

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