30代 心も体も異常サインを出し始める年代です
若いつもりでいても体は正直。30代になると、心も体も異常サインを出し始めます。健診結果に異常所見を表すC、D判定の記号が見られるようになるのもこの年代。これまでの生活習慣のツケが出てくる年代といえます。
意外に思われるかもしれませんが、高齢者の病気と思われがちな痛風(高尿酸血症を含む)は30代がピーク。この病気は生活習慣が大きく関わっておこる病気の一つです。
また、この年代は働き盛りで責任が増す年代だからでしょうか、うつ病などの「心の病」になる人も増えます。
心と体に変化がおき始める30代、まだまだ大丈夫と思わずに、定期的な健康診断で自分の体をチェックし、その結果を生活習慣の改善に役立て、健康を維持しましょう。
●男性の痛風(高尿酸血症を含む)は30代がピーク
●心の病が高まるのは30代から
30代といえば大部分の人が病気を気にもとめない年代。それを物語る一例が健診・人間ドックの受診率の低さです。厚生労働省が毎年実施している「国民生活基礎調査(令和元年)」を見ると、30代の受診率は30代~60代中、最低です。
しかし、症状もなく進行して命を脅かす病気は少なくありません。たとえば、30代が患者数ピークの高尿酸血症。放っておくと痛風や腎障害をもたらすだけでなく、心筋梗塞や脳卒中の原因にもなる動脈硬化を促進させることが最近わかってきました。健診の大きな目的は「自覚症状の出にくい」「放置すると命に関わる」病気を発見すること。重篤な病気の発見が遅れたために被る治療での体の負担や、それに伴う医療費は計り知れないものがあります。「忙しい」「面倒くさい」「元気だから」とすっぽかすようなことはせず、毎年一回きちんと健診を受けましょう。
健診結果には、あなたの体の情報が記されています。
30代になると、高尿酸血症をはじめとして、生活習慣に関連が深い肥満やコレステロールにC判定やD判定といった「異常」が現れる人も出てきます。それらは数値として現れるものの、無症状のことが多く、放置してしまいがちです。しかし、異常値は自分の体を知るバロメーター。よく見ないでポイ捨てするのは、もったいないと考えるべきです。たとえば、体重が急激に増えていたら、「食べすぎに注意する」、血圧が高めなら「塩分を控えて運動をする」など、健診結果には自分の生活を見直して改善するためのヒントが詰まっています。「再検査」や「要精査」等の指示があれば、必ず診察を受けること。そこまでやって、その年の健診を受けたといえます。
血液中の尿酸値は、通常一定範囲に保たれていますが、7.0mg/dlを超えると、「高尿酸血症」と診断されます。健診で尿酸値が高いと指摘される人は、成人男性の約2割にものぼるといわれていますが、最も多いのは30代です。
これまでは「ぜいたく病」などといわれて、グルメな中高年がかかる病気と考えられていましたが、若いときからの過食・アルコールの過飲や欧米化した食生活、そして運動不足などが、最近の痛風発症の若年化の原因ではないかといわれています。
尿酸値が高い状態が続くと、ある日突然、足の親指の付け根に猛烈な痛みが出現して、痛みが徐々に激しくなる──これが痛風発作です。ちょっと風が吹く程度でも痛むということが痛風の呼び方の由来といわれます。多くは足の親指の付け根に発症しますが、足の関節に起こることもあります。
痛風にならないためには、早めに治療をスタートさせることが大切です。尿酸値を上昇させる食物の食べすぎ、飲みすぎ、運動不足、ストレスなどの生活習慣を改善し、必要に応じて医師の指導のもと尿酸値を下げる薬を服用します。
10〜40代で一貫してメンタルに不調を感じる可能性があり、30代では約40%が「心の病」を抱えています。
仕事、睡眠不足、人間関係、家族、結婚、育児、失業、不況下での将来への不安など、さまざまなプレッシャーがストレスとなって、心のバランスを崩す人が多いようです。心の病になりやすい30代は、日頃からストレスに負けない体と健康づくりに努め、上手なストレス解消法を身につけることが大切だといえるでしょう。
ストレス社会の中で、「心の病」は誰もがかかる可能性がある身近な病気です。心の不調は、イライラ、おっくう感、判断力の低下などの精神症状のほか、頭痛や肩こり、不眠などの身体症状として現れたりすることもあります。どのような病気もそうですが、予防と早期発見、早期治療が大切です。日頃から体の健康管理とストレス解消を心がけ、心が発するサインを見逃さないようにしましょう。
●自分で「ちょっとおかしいな」と思ったら
子宮頸がんは20代から40代の女性に多いがんです。40代の女性が罹患したがんのうち子宮頸がんの割合が約7%なのに対して、30代では16%を占めています*。子宮頸がんは、性行為でヒトパピローマウイルス(HPV)に感染して発症するがんですが、ウイルスが持続感染した場合に発症します。性行為による初感染から5年~10年ほど経過する30代は危険な年代。ぜひ、子宮頸がん検診を受けましょう。
* 独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター「がんの統計2021」による30代といっても安心はできません。脳卒中は生活習慣病です。食べすぎ、運動不足による肥満は、脳卒中を引きおこす動脈硬化を促進させます。30代は20代と比べると、肥満の割合は約1.3倍にアップします*。脳卒中を予防するためにも、これまでの生活習慣を見直して改善し、上手にウエイトコントロールをしましょう。
* 厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」による若くして心筋梗塞をおこす人は多くありませんが、ときどき運動中に急性心筋梗塞で突然死する人がニュースになったりします。運動は心臓に負荷をかけるものですから、安全面を考慮し、きちんとした準備の上で行わなければなりません。ウォーミングアップで十分に体を温めてから始めることはもちろんですが、冬は寒さ対策をして血圧の急上昇を抑える、夏はしっかり水分補給して血液の粘度上昇を抑える、などが心筋梗塞による突然死を防ぐうえで重要です。
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健診を受けて今の身体の状態を知ることが健康づくりの第一歩。あなたとあなたの大切な家族の健康づくりにお役立てください。
基準値から離れているとどんな病気が潜んでいるか、画像診断結果はどんな状態を示しているか…健診結果の内容を理解できれば、生活習慣の見直しや病気の予防に役立てられます。
今回の健診結果と照らしてみましょう。